目撃証言55『能力者バトル』
「小娘……貴様にはこの武器を覚醒して貰う」
「?? これって何ですか?」
デコウスが、渡してきた掛けた武器の欠片を渡して、少女は、首を傾げる。
「これは昔我々が王国で手に入れたグングニルの欠片だ」
「グングニル? 何それ?」
少女は首を傾げて、頭を悩ます。
「伝説の槍だ、えっと……小娘名は何と言う?」
「えっと……私名前が分からない……お母さんも私の事お前だとか……そう言って……」
少女は、自身の名前すら分かっていなかった。
「ふむ……まあ我々からすれば珍しくない」
「そうなの?」
少女の言葉に同情するどころか、当たり前のように理解した。
「デコウス……取り敢えずこういう少女の事をロリコンと言うらしい……」
「え! ちょ!」
「そうかボコウン、ならこの子の事はロリコンから取ってロリとしよう!」
「ちょ! それって!!」
「今日からお前はロリだ! 分かったな!」
「えええ……」
少女は、唖然としながら二人の話を聞いていたが、反対しようとした。
「あの……出来たら別の……」
「?? 不満か?」
「!! いえ!!」
少女は、母親に邪険に扱われる事がトラウマなのか、すぐに大人しくなる。
その様子を見てデコウスは、呆れたかのように答える。
「不満があるなら答えないとダメだぞ、そうしないとお前の嫌な事が勝手に決められる……それを踏まえた上でその名を受け入れろ……そして少しずつでもいいから反論出来るようにしろ……良いな」
「!! ……はい……」
ロリは、少し涙を流しながら頷く。
「……お前も盗賊団の仲間になる……これからも銀行強盗、スリ、万引きなどを覚えて貰うからな! 良いな!」
「!! はい! それは銀行強盗はまだですけど二つはもう得意なので!!」
「良し! 良いだろう!」
それを、文雄は玄関の前で聞いていた。
「えっと……アイツ等盗賊って……ドアの鍵を閉める習慣がないのだろうか」
ガン開きとなっていたドアの前で聞いていた。
そして、ノックをしてから声を掛ける。
「回覧板デース」
「!! ああ……そうか」
「どうぞ」
「うむ」
そして、文雄はそのまま家に帰る。




