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目撃証言54『ああ、それで……』

秘密結社ディプレッション本部。

悪幹部4人は、再び失態を犯した。


勝てると言って結局敵前逃亡。


しかも新人であるレイディーの失態であった。


そんな事を髑髏のボスが許すはずもなかった。


『どうやら調子に乗り過ぎたようだな……レイディーよ………』

「はい……申し訳ございません」

「この子の責任じゃないわ! だっていきなりヤンキーがあんな化物を倒すなんて! 信じられる訳がないじゃない!」

「そうだ! それに! 俺達はよくやった方だぞ!

「私も言われた通りにし、レイディーも作戦通りにした……異常事態は撤退して再び作戦を……」

『そんなのは言い訳だ! 許されるわけがない! そんな事を許せば何度も何度も失態を重ねるのだぞ! 我々に失敗は許されない! 当然だ! 勝って当然なのだ! 私はこのドキドキの実を単独で奪った! その功績で今この場に居るのだ! この地位に居るのだあ! 調子に乗ってお前等に指示を送るレイディーも! たかが新人の言いなりになるお前等も! 何の役も立たない屑だ! クズ屑屑うう!!』

「ッチ……」

『今舌打ちをしたのか……イライー』

「は? だから何? だったらお前が全部一人でやれば問題ないんじゃねえのか? レイディーはお前と違って現場に立ったうえで指示を出してんだよ! 更に被害を最小限に戦ってんだよ! 俺等に戦闘は任せているが! それでもよお!」

「そうね……確かに任されているけど……それでもそこに居るのと居ないとでは全然違うわ……だからこそ臨機応変に対応してくれる……でも貴方……一度も私達と一緒に戦ってくれないじゃない……それにそのドキドキの実もアイツ等精霊だけの時でしょ? 一体何の脅威があったって言うの?」

「そうだな……私達が現場で戦っているのはドキドキの戦士だ……果たしてお前が向かったドキドキの国はドキドキの戦士がいたのかな? そうでないならお前にレイディーを侮辱する価値はない……それに初めてで成功したのにお前は調子の乗るなと言った……それは本当に正しい事をしたのか? 私はお前の指示に従ったというのに一度もドキドキの戦士に勝ててないぞ? おかしいだろ?」

『!! それは……貴様等が無能だから』

「お!! 落ち着いてください! すみません! 私が……私がこの組織の輪を乱したのですね……本当に……すみません……」

『!!  っ貴様ああ!! そうやって申し訳なさそうにすれば許されると……』

「だからこそ! ボス! 貴方の意向を示す為に! 一度戦闘に立っていただいても宜しいでしょうか! さすれば! 圧倒的な力でドキドキの戦士を倒す事が出来ると思われます! その強さこそが! その強さを見れば! 私達の輪が再び纏まるかと!!」

『!! 我が……フン……なるほど……我が出なければ貴様等は何も出来ない事を認めるのか……良いだろう……ならば貴様等は我が勝つ瞬間を見て再び現れたドキドキの戦士に負けた場合! 貴様等には死んで貰う! 良いな!!』

「!! 死ぬのは私だけです……私の責任で本来あった絆を壊したのですから……」

『ほう……貴様が……なら我の力を見よ! そして恐怖せよ! 我こそが最強ッという事を!!』


そして、髑髏のボスが消えた。


「何を……何を言ってるの」

「そうだぜ! アイツ本気で……」

「お前はまだ若いのに! どうして!」

「私はこの世界を変えたい……でも……もし叶うなら死んでもいい……だからこそ見届けましょう……そして……もし勝てない場合はこの中の誰かがボスになるよう……ドキドキの実を……」

「アンタ……まさか……この組織を改革するつもりで」

「!! フーン……なるほどな……」

「ならアンタがボスだ! そっちの方がやりやすい……」

「……良いのですか?」

「「「ああ!!」」」


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「みっちゃん……まさかこれを狙って逃げた?」

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