目撃証言52『新たなドキドキの戦士！！ でも……』
「うらああああああああああああ！」
「ぐら！！」
メカラグナを、蹴り飛ばした後、琉鬼奈は力いっぱいガンとレットを使ってタコ殴りにする。
「す……凄い」
「あれって……不良？」
「明らかに私達より強い……3人束になっても敵わないでしょうね」
「そりゃラノベ系から来たからねえ……多分殺し合いの中で身に付いた技だから次元が全然違うでしょ」
「それよりどうするんだ？ このままだと琉鬼奈ドキドキの戦士になるんじゃない？」
風美の言葉に、文雄は首を振る。
「あのヤンキーがドキドキの戦士になるとでも？ そもそもの話アイツは元男だ……100％それは無い……それより知り合いになる事によってそれなりの絡みとしてこれから話し合いがあると……あれ誰だ？」
「え？」
文雄は、目の前に居るやたら黒い青年を見た。
「あれは！ ブラックナイトマスク！」
「だっさ！ って……前に言ってた恵斗の兄……俺をクビに追い込んだ屑野郎か……パチンコ玉があればここから撃って狙撃したいぜ」
文雄は、殺意を向けながら彰人を睨み付ける。
「嫉妬乙……兄さんが狙撃した程度でやれる程ブラックナイトマスクは軟じゃないでしょ？ それより……ップップップ！！ 完全に助けるつもりで来たのに琉鬼奈に取られてやんの！」
「うわ本当だ……ぷぷぷ！！ ウケる！ ザマア」
すると、彰人は少し微笑みながら呟く。
「どうやら……私がいなくてももう大丈夫のようだね」
「なに気取ってんだよ糞が！」
「カッコ付けんじゃねえよ！！」
琉鬼奈のタコ殴り騒音のお陰で、声が聞こえていないが、二人は彰人の言葉に怒りを覚え、声を荒げる。
そして、琉鬼奈はメカラグナを完全破壊する。
「ふー……うん？」
琉鬼奈は、その姿を異様な格好をした集団に見られている事に気付いた。
「うわ……やっべ！ 見つかった……」
「あの！」
「！！ ……んだよ」
『君もドキドキの戦士になるっペ！』
「……なに……このキモイ喋る動物……」
『っき！！ っき！ キモイは酷いっプ！！』
「ちょ……近づくな……寄らないで……大声上げますよ』
「対応が完全に変態に対する対応」
「まああんな訳分らん生き物に声を掛けられればそんな反応だわな」
「ちょ！ 止めて！ うわあああああああああああああああああああああああああああ！！」
そして、琉鬼奈は悲鳴を上げて逃げて行った。
「ああ！ ドキドキの戦士になって貰えると思ったのに」
「まあ……大丈夫だろう」
「運命がそうさせれば妖精が付くでしょ？」
良子以外は、気長に待つことにした。
