目撃証言47『ニヒ』
「うほほほ!! ヒャハハハハハ! さあ! 行くぞ!! メカラグナよ! 奴等を細切れにしてやるのじゃあああ!」
『……』
バルバーズ爺が、メカラグナに命令を下すが、全く動こうとしなかった。
「!! どうした! メカラグナ! 何をしておる!」
『……』
余りの状況に、バルバーズ爺は一気に焦りを見せる。
動揺が隠せない程に、汗を掻き、メカラグナを蹴り上げる。
「このポンコツがあ! さっさと動かんかい!!」
『ニヒ……』
「! なんじゃいまのgべえええええええええええええええええええええええええ!!」
「「「「!!」」」」
恵斗達は、突如目の前のバルバーズ爺がメカラグナに噛み付かれ、唖然とする。
「なんだ! 魔導機械の故障か!」
「いや! さっき嗤い声が聞こえた! 一体何!」
「わかりませーん! しかし! 何処か不気味で邪悪な嗤いでーす!」
「一体! 一体何が起こって!」
「ひgyがああああああああ!! だずげでええ!! ぶうべえ!」
メカラグナは、噛み付いたバルバーズ爺を何度の何度も地面に叩き付けた。
「びびびい!! あああべえええ!! いあああ!」
血を噴き出し、腕と足が拉げて、血が辺りに飛び散る。
「!! 一体何が! 何が起こっているんだ!」
「だず……だずげ」
口から落ちたバルバーズ爺は、体がグチャグチャになりながらもまだ生きていた。
腹からは、綿が飛び出しており、歯は全部抜けて、頭は割れて中身の一部が飛び出していた。
『ニヒ! ニヒヒヒヒヒヒヒ! 良いおもちゃ有難う……さようなら、貴方はもう用済みよ!』
「!! 誰だ!」
「だずげ……びぎゃあ!」
そのままバルバーズ爺は、前足で潰された。
「あのしぶとい爺さんが……最後には自分の開発した魔導機械で……なんて呆気ない……」
『さあ! 次は貴方達の番よ!』
「来る!」
しかし、メカラグナはどこか遠くへ飛んで行った。
「!! どういう事だ……一体!」
「分からない……だが! 行かなければ!!」
「恵斗! お前は凜とセシリアとでここに居ろ……俺が見てくる」
「!! 何を言っているんだ! 俺だって!」
「異常事態過ぎる!! こんな状況で全員が飛び込んでみろ! どうなると思っている!」
「恵斗……琉鬼奈の言う通りだ……バルバーズ爺が裏切られたのか……それとも別の者の仕業か……全員で行くのは無茶だ」
「それに、琉鬼奈はこの中で戦闘力が一番たかいでえーす!! そうそうやられませーん!」
「……大丈夫なんだろうな」
「お前が行くよりかはな」
その言葉を聞いて、恵斗は悔しそうにしながら頷く。
「分かった」
「おう」
そして、琉鬼奈はガンとレットを使って、空中に飛び上がった。
「俺は……弱い」
(うん……知ってる)
文雄は、さっそく風美にメッセージを送った。