外に出て
「シード、今から門の外に出るけど準備はいいかしら。初めて見るものが沢山あるわよ。もう少し大きくなったら1人で出れるかもしれないけど今日は一緒よ。」
「はーい。」
そして、ヘレンが門の外に出て周りを見渡す。
「奥様、問題ありません。」
その声で、俺とミラは門の外に出る。俺は安全確認をしていたのかと納得する。
門の外に出てみると、少し遠くに人が歩いている。周りには建物すらない。窓から見ていたので分かっていたのだが。ヘレンを先頭に商店が並ぶ区画に向かう。
「シード、何か気になる店はないかしら。」
俺はつい鍛冶屋を指さしながら
「あそこ。」
俺はやってしまったと思った。やっぱり日本人としては、ライトノベルみたいな世界に来たのだ。夢があるだろう…。でもまだ、早過ぎた。でもミラは
「シードもやっぱり男の子なのね。見に行きましょうか。でも危ないものもあるから触っちゃダメよ。」
といい、鍛冶屋に向かって歩く。
「ミラ様、ようこそいらっしゃいました。」
髭を生やした、少し背の低い、いかにもドワーフです。みたいな人がでてきた。
「ヒエフさん、シードが見たいと言ったので寄らせてもらいました。」
「はじめ、まして。」俺は一応挨拶する。
「おっお。こりゃ将来立派な領主様になりそうだ。どうぞこちらに。」
「シード行くわよ。」
鍛冶屋の奥の方に移動する。
「どうだ、坊主。」
基本的には貴族の子供は貴族では無いため不敬罪は適応されないらしい。親に敬意を払ってないとかで、親が下す場合があるらしいので大体の人は敬意を払うらしい。
「かっこいいです。」
「将来、お金を貯めて買ってくれよ。がはは。」
笑いながら武器が並べられてる棚の引き出しを開けた。
「ミラ様、弟子が作った短剣なのですが、渡してもよろしいですか。鞘は簡単に外れないものをもちろん準備します。」
「シード欲しい?」と問いかけてきたので素直に答える。
「ヒエフさん、いくらかしら。」
「お代は結構ですよ。お坊ちゃんへのささやかなプレゼントですので。」
といい、俺に鞘付きの短剣を渡してきた。短剣はシンプルだが、素人の俺が見ても逸品だとわかった。
「おじちゃん、ありがとう。」
「ヒエフさん、また来ます。」といい、店を出た。
「シード、多分それ、ヒエフさんが作ったものよ。この街で1番有名な鍛冶師の。」
「えっ、でも弟子が作ったって。」
「偏屈だって有名で、気に入らない相手には売りもしない人なのよ。くれるって言った時はさすがに私もびっくりしたわよ。」
「そうなの?」
「その短剣だと、金貨2~3枚はするんじゃないかしら」
「それってどれくらいなの?」
「うーんと、平民の食費の1ヶ月くらいかしら。」
「じゃあ、かん、しゃしな、いとね。」
「その気持ちをこれからも忘れちゃダメよ。」
俺は、一歳との会話じゃないと感じたものの、めんどくさくなったので普通に会話した。意外と抜けてるのかな。
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