ご対面
翌日。
「おはようミル。お前のせいでよく寝れなかった。」
「来たら眠気も吹っ飛ぶよ。」
「ん?お前誰を呼んだんだ。昔の伝の高ランク冒険者か?」
「だから内緒だって。」
グランは当日になっても教えてくれないミルに、ものすごく嫌な予感がした。
「ミル様、身分証明書も確認しましたが、ミル様の言っていた方がお越しになりました。」
と門番が言う。
「グラン、行くよ。シードにも声をかけてきてください。」
「わかりました。すぐ伝えてきます。」
シードは急いでミルたちの元に行き、訪問者に会いに行く。
「ちょっ。ミル。」
「あの人よ。」
「ちょっと待てよ……はぁ。」
グランは知っている。クリスを。この国の近接戦闘で3本の指に入ることを。実際は4本にしたらグランも入り、貴族では普通ではないことを無視して。「ご無沙汰しております。ミル様。お初にお目にかかります、グラン様。クリスと申します。」
「ああ、よろしく頼む。ミル、シードの護衛だときちんと伝えたのか?子供に付く護衛じゃないぞ。」
「口を挟むことをご許し下さい。元帥より、直接手紙も見せて頂き、状況は把握しております。護衛と書いてありましたが、家庭教師としても使われるのではないかと思っているのですが。」
と後半は、ミルに向かって。
「よくわかったわね。正解。あと、剣の練習相手もね。」
「さすがに、それは予想外でした。」
「話を戻してもいいか?」
「あっ。すいません。雇ってくださるのであれば、こちらの騎士団に所属して、1からやらせていただきます!」
「そうか。思ったより大物が来て、驚いているがよろしく頼む。ヘレンもいるな。とりあえずヘレンに聞け。」
「グラン様、流石にクリス様を自分の下に置くのは申し訳なさ過ぎて…………」
とヘレンが。
「あなた、シードにつければいいんじゃない?そのまま。」
「初めからそのつもりだっただろ。お前は。じゃあそうしようか。」
「クリスさん?よろしくお願いします。シードです。」
「君がシード君ね。よろしくね。」
と、微笑む。俺は可愛いと見とれてしまった。目元がキリッとした綺麗な金髪ロングだ。
「クリスさん、そういう事だ。変わってしまって申し訳ないがよろしく頼む。有事以外は基本的にシードの下ということにしてくれ。」
「了解しました。」