表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼なじみに告白したい!  作者: 向井数人
第二章
38/42

第38話 デート当日 終

「着いたぞ」

 優人は、一つの建物の前で立ち止まりそう言った。すると、

「……ねえ、優人」

「なんだ?」

「随分高そうな店だけど、本当にここで合ってるの?」

 朝日がそう言うのも無理はない。二人が訪れたのは、「わさび」と、達筆な字で書かれた看板が張られている、如何にも高そうな店で、朝日は、本当は別の場所なのではないかと思い、そう言ったのだが。

「いや、ここで合ってるよ。元々予約しておいたしな」

 と言うと、優人は朝日の手を引き、そのまま店の中へと入って行った。

「いらっしゃいませ」

 店内に入ると、着物を着た女性にそう言って出迎えられた。なので、

「すみません、今日の19時に予約しておいた、山下ですけど」

 優人がそう言うと。

「ええ、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

 と言って、彼女は二人を、店の奥の部屋へと、案内し始めた。



「それでは、ごゆっくりお待ちください」

 その後、二人は和室の部屋へと案内され。二人が席に着いたのを見た後、女将はそう言って襖を閉め、部屋を後にした。すると、

「夕食を食べに行くんだろうなとは思ってたけど、こんな所だとは思わなかったな」

 朝日は、少し苦笑いを浮かべながらそう言った。なので、

「意外だったか?」

 優人がそう聞くと。

「今日だけで、随分その言葉を聞いたからね。それに優人の事だから、ラーメン屋とか、よくてファミレスとかだと思ってたから」

「まあ、それも考えたけど、折角のデートなんだから、少しくらいかっこ付けたかったんだよ」

 優人がそう言うと。

「まあ、私としては嬉しいし、優人がそれでいいと思ったんなら、私もいいけど。うーん、お金、大丈夫かな」

 朝日が、少し心配そうな口調でそう言うと。

「いや、ここの店での料金は、全額俺が払うから、その心配はしなくていいぞ」

 優人は朝日に向かってそう言った。しかし、

「え、それは優人に悪いよ。今まで割り勘だったのに」

 と、朝日は言ったが。

「いいって、ちゃんと二人分の料金は用意してきたし。それに、多分近い内にバイトをしようとは思ってるから、多分まとまったお金が入って来る様になると思う」

 優人がそう言うと。

「そういえば、この前もアルバイトを探してたみたいだけど、良さそうなのはあった?」

 朝日はそう聞いた。なので、

「うーん、バイトの求人自体は、結構あるけど、どれも微妙なんだよな」

 優人は正直に、現状を話した。すると、

「そうなんだ……もしよかったら、私の友達になにかいいアルバイトがないか、聞いてみようか? うちの学校はバイト禁止じゃないから、何かしら有益な情報を持ってる子も、居るかもしれないよ」

 朝日はそんな事を言ったが。

「いや、今は大丈夫だ。いつまでもお前に頼ってばかりだと、前に勧めないだろうし、もう少し、自分で探ってみるよ」

「そう、分かった。でも、どうしても必要になったら、いつでも相談していいからね」

「ああ……ありがとな、朝日」

「ふふ、どういたしまして」

 そんな話をしていると、料理が完成したのか。

 襖が開き、女将さんと、もう一人の着物を着た女性が、お盆に料理を乗せて、部屋に入って来た。

 そして、素早く料理をテーブルの上に並べると、足早に出て行った。なので、

「それじゃあ、食うか」

「うん、そうだね」

 そう言って二人は、普段は絶対に口にする機会はないだろう高級料理を、口に運び始めた。




 その後、料理を食べ終えた二人は、デザートを口に運びながら、まったりとした時間を過ごしていた。

「ありがとう、優人」

 すると、朝日は唐突にそんなことを言った。

「何のことだ?」

 優人がそう言うと。

「今日のデートだよ。まあ個人的には、突っ込みたいところもあったけど、初めてのデートプランにしては、頑張ったほうじゃないかな?」

 朝日はそう言った。

「そうか、因みに100点満点で言うと、何点だった?」

「うん、えっと……そうだね、70点くらいかな」

「それは、何というか、悪くはないけど、反応に困る点数だな」

 優人はそう言ったが。

「素直に喜んでいいと思うよ。私的には、結構辛口目で評価したつもりだし。それに、デートはこれっきりじゃないんでしょう?」

「まあ、そうだな。予定が合えば、今後も誘おうかなとは思ってるよ」

 優人がそう言うと。

「それなら、今後頑張って、点数を上げていけばいいよ。いきなりいい点数を上げて、優人にこれくらいでいいかって満足されても嫌だから、今後も頑張ってね」

「ああ、任せとけ」

 優人はそう言った。そして、

「それじゃあ、そろそろ帰るか」

「うん、そうだね」

 優人がそう言うと、朝日は続いて返事をし、二人して、席を立った。すると、

「でも優人、本当にここの夕食代は、おごりでいいの? 自分の分くらい、払ってもいいよ」

 朝日はそう言ったが。

「大丈夫だ、ゲームソフトを2本、買ったくらいの出費だから。高いけど、絶対に払えないって額じゃないよ」

 優人は改めて、朝日にそう言った。

「そう、優人がそう言うんなら、それでいいよ。でも、今度誘ってくれる時は、ここまで無理しなくていいからね。学生なのにあんまり無理したら、自分のために使うお金がなくなっちゃうし、デートはお金よりも、いかに二人が楽しめるかが重要だと、私は思うから」

「ああ、分かった。ありがとな、朝日」

「どういたしまして」

 その言葉を最後に、今度こそ二人は部屋を出て、会計をしに向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ