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幼なじみに告白したい!  作者: 向井数人
第二章
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第27話 変化

「なあ、宏樹。人ってどうすれば変われると思う?」

 ゴールデンウィーク明けの月曜日、午前の授業を終えた昼休み。

 山下優人と森川宏樹が、いつもの様に雑談をしながら昼ごはんを食べていると、優人が宏樹にそんな事を言った。そして、

「どうしたんだ? いきなり」

 それを宏樹は、当然の疑問を口にした。いきなりこんな事を言われて困惑するのも、無理はないだろう。なので、

「いや、あまり詳しくは言えないんだけど、ちょっと頑張らないといけない理由が出来たから、変わろうと思ったんだ」

 優人は、多少ぼかしながらそう言うと。

「ふーん、なるほどな。まあ、お前の事だから、渡辺さんと何かあったんだろ」

「……まあ、そうだな。否定はしないよ」

 優人がそう答えると。

「へー、意外だな。お前が素直に答えるなんて……でも、そう言うんなら、良い変化だったんだろうな」

「まあ、そうだな。詳しくは言えないけど、アイツとの関係は、それなりに進展してるよ」

「それはいいな。でも、それが何で、お前が変わりたいに繋がるんだ?」

 宏樹はそう質問してきた。なので、

「それはまあ、詳しくは言えないけど。単純にあいつと付き合う事になるんなら、俺はもっと成長しないと駄目だと思ったからだ。俺は別にイケメンでも、特別になにか優れてる訳でもないからな。少しでもアイツに釣り合えるような男になりたいんだ」

 優人は、真面目な口調でそう言った。なので、

「ふーん、そっか。まあ、お前がそう思うんならいいんじゃないのか? 好きな人の為に努力したいっていうのは、口に出すと恥ずかしいけど、立派な考え方だと俺は思うぞ?」

 宏樹はからかう様な口調でそう言った。しかし、

「まあ、そうだよな。ありがとう、そう言われて、少し自信がついたわ」

 優人はそう言って、少し笑ってみせた。すると、

「……何と言うか、お前、少し変わったな」

「……そうか?」

「ああ、少し前向きになったんじゃないのか? 今みたいにからかっても、笑って流すし、以前だったら、変わりたいなんて口が裂けても言わなかっただろうからな」

「まあ、そうだな。でも、これ以上アイツを待たせるのも、悪いと思うからな。俺もいい加減、腹をくくる事にしたんだ」

 優人がそう言うと。

「そうか。まあ、いいんじゃないか? 俺としても、お前がようやく渡辺さんに告白する決意をしてくれて嬉しいよ」

「……告白するのは、まだ先の話だけどな。でも、その前に、もっと自分を鍛えたいんだ。アイツの恋人だと、胸を張って言える男で居たいからな。でも……」

「でも、何だ?」

「今のままじゃあ、アイツの隣に立つ自信がないんだ。だから、少しでもアイツの隣に立てる様な男になりたいんだ」

「……だから、変わりたいと思ったのか?」

 宏樹はそう質問したが。

「変わりたいというか、自信を付けたいっていうのが本音だな。ただ、今の自分のままじゃあ到底、朝日の恋人だって、胸を張って言える自信がないんだ。だから俺は、変わるしかないと思ったんだ」

「成程な、まあ優人が言いたい事は分ったよ。それを踏まえて、俺の意見を言わせてもらうとだな」

「……ああ」

「さっきはああ言ったけど、そんな簡単には、人は変わらねえよ。それこそ、見た目を変えたり、色々な人と交流をして、人間関係を広げたりすれば、周りからは変わったように観られるかもしれないけど、そんなのは所詮、見てくれだけだ。お前が思ってるような自信には、繋がらないと思うぞ」

「……まあ、そうだよな。でも、それじゃあどうやって、自信を付ければいいんだ?」

「……そう言われてもな。俺だって、せいぜい十数年しか生きてないから、よく分からないけど。それでも一つ言えるとしたら。やっぱり自分を磨くしか、方法は無いと思うぞ。勉強や部活を頑張るなり、関わる人の輪を広げて、交友関係を広げるなり、バイトをするなり、そういう、当たり前だけど、続ける事が大変な事の積み重ねて、そうして成長した結果が自信になるんだと、俺は思うけどな」

 宏樹はそう言った。なので、

「そうだよな、ありがとう。何となくだけど、薄っすらと答えは出た気がするよ」

「おう、良かったな。それじゃあ頑張れよ……一応言っとくけど、思ってるだけで行動に移さないんなら、やってないのと同じだからな」

「分かってるよ」

 そんな言葉を交わしながら、二人は昼ご飯を食べ終えた。



 その後、午後の授業を終え、帰りのホールルームも済ませた後。

「優人、居る?」

 教室の後ろのドアを開き、いつもの様に朝日が顔を覗かせた。なので、

「ああ、居るぞ」

 優人はそう言うと、学生鞄を持って朝日の元へと歩いて行った。そして、

「今日は部活はいいのか?」

 優人がそう質問すると。

「うん! 今日は休みだから、一緒に帰ろ!」

「まあ、そうだな」

 そう言って二人は、いつもの様に並んで、下駄箱へと向かった。そんな中、

「ねえ、優人」 

「何だ?」

「自信の付け方、見つかった?」

 朝日は何気ない感じで、そう質問してきた。なので、

「ああ、これが正解かどうかはわからないけど、その為に何をすべきか、それは見えたな」

「そうなんだ。優人が何を思ってるのかは分からないけど、頑張ってね。応援してるから」

「ああ、分かってるよ……だから、もう少しだけ待っていてくれ」

「……うん、分った。でも、まだ付き合って無いっていっても、偶にはデートとかに誘ってくれたら嬉しいな。優人と二人で過ごすの、私は好きだから」

「ああ、考えておくよ」

「うん、お願いね!」

 そんな言葉を交わしながら、二人は帰路に着いた。

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