四十二笑 本当は。
あたしは、家に帰ってから本を取りだした。落ち着かないときに本を読むと落ち着く。
今日、あたしは光樹を振った。
『光樹ゴメン。あたし、光樹とは付き合えないや。あたしは、今までの関係が好きだった。それ以下でもそれ以上でもない関係。光樹とは幼馴染で慎ちゃんとは特別な友達。澪は大事な親友で理沙ちゃんは、あたしが引越して来ての初めての友達であり、幼馴染。隼人は――』
息を呑んで一呼吸置く。少し言いづらかった。これでいいんだ、自分で決めたことだから、あたしは笑ってみせた。
『――色々話せる普通の友達』
『え?』
あの時の光樹の表情は本当に驚いていた。目を丸くしてぽかんと口を開けた光樹の表情を思い出す。
思わずくすりと笑った。
『お前、だって隼人のことが』
『好き……だった。っていうのは強がりで、今も好きかも。でも、もういいの。好きじゃない。じゃないとさ、ほら、つらいじゃん。色々と。一方通行でさ』
『ちがっ』
『よく考えたら、あたしは隼人が好きだけど、今の関係にすごく満足してるんだよね。例えば、た、例えばだよ! あたしと隼人が付き合ったら、何か変にぎくしゃくしそうだし、ね』
しばらく、じっと光樹はあたしを見ていた。それから、ふっと表情を緩め、言った。
『俺は、振られたんだ』
ずきんと、胸が疼いた。でも、あたしは笑った。
『……そうだね。あたし、振ったかも』
『うわ、率直に言われると傷つく』
『あんたでも傷つくんだ』
『ひでー。俺の心はガラスのハートなんだぜ?』
『知らんかった』
『しかも、人が真剣に告白してる時に他の男子生徒の名前だすなよ』
『あー、そういえばそうだな』
『こいつ、ぜってー自分じゃ気付かずに人を傷つけるタイプだな』
光樹はいつもどおりに冗談をかまして笑っていた。あたしもつられて笑った。
あたしは本を閉じて、天井に向かって心の中でごめんと呟いた。
何か、目が熱いな。
あたしはたちあがって自分のベットに寝転がった。顔に手を当てると涙がでてる事に気付いた。
「あれ?」
一人で呟く。涙は目からどんどん溢れ、ポタポタと枕をぬらした。
本当は、後悔してるんだ。
実は、あたしは光樹のことも好きだったんだ。
なかなか執筆ができない!というか、日曜しかパソコンが使えないのがつらいです。。。




