表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特別な関係  作者: 夜明け
40/57

三十八笑 お前が好きだ。

「……ねえ、何があったの」


 あたしは、隣に並んで歩く光樹に言った。今日は慎ちゃんはいない。どうやら、他の人と帰るらしい。

 今日、隼人と澪が喧嘩した。何故かは知らないが、二人で怒鳴りあっていた。あたしも、途中で気付いて、隼人と澪の方を見たけど、澪はすっごく不機嫌そうな顔をして隼人たちから離れていった。澪に聞いても何も答えない。隼人は苦笑するだけだった。


「……わかんない」


 光樹はあたしから目を離しながら言った。


「はあ? 分からないって、ずっと一緒にいたじゃん。分からないはないでしょ。少しは何か知ってるんじゃないの?」

「だから知らないってば」


 光樹が素っ気無く言う。しょうがないから、あたしも「そう」と呟いた。


「それよりさ、お前こそどうしたんだよ」

「え? 特に変わらないけど」

「嘘付け。今日まで、話しかけても上の空だったし。何かあったんだろ」


 ああ、あれは実は澪たちが喧嘩している間に解決していた。


「大丈夫。もう、終わった」

「……何、悩んでたんだ」

「言えない。レディーの秘密」

「どこに、女っていたっけ?」

「うわ、ひどっ。ともかく、もういいんだよ」

「そっか」


 良かった、訊かれても答えられないから。

 ふうと安堵の息を吐くと、光樹が立ち止まった。


「……俺さ、好きなんだ」

「へ? 誰が?」



「…………………………お前」



「なっ!?」


 今、こいつ何って言った? 好き? 誰が? お前? それってあたしのこと?


「ちょ、おいおい! 嘘でしょ? 今日、エイプリルフールだったっけ?」

「嘘じゃねーから」


 光樹君が顔を真っ赤にしてあたしを見る。

 絶対ない。だって、いつもあたしをいじめてるくせに――――


「そ、それだけだから! お前が、隼人を好きだってこと知ってた!」

「え! 知ってたって、何で!?」

「だって、顔が全然違うから。すっげー楽しそうだったから。でも、すす好きなんだよ! だから!」

「俺は、隼人がだいっ嫌いだぁぁぁぁぁぁ! それから、片桐も嫌いだぁぁぁぁぁぁ!」

「ちょ、叫ぶなよ! 何で、慎ちゃんも嫌いなの!?」

「うるせぇ! じゃ、俺、先帰るから!」


 光樹が顔を真っ赤にしたままさっていく。

 あたしは呆然と立ち止まった。

 嘘、あたし、あいつに告白された?

 あたしは両手で頬を押さえた。案の定、頬は熱かった。

昨日、投稿しようと思ったんですが、インターネットが何故か繋がらなくて投稿できませんでした。

今日、2話分投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ