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特別な関係  作者: 夜明け
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三十三笑 あたしの悩みは……

 新学期が始まって二週間。もう、蝉の鳴き声が聞こえなくなり、体育祭のシーズンを迎えていた。

 そんなときのあたしには悩み事があった。

 それはとてもとても小さなことで、しかも恥ずかしくて澪にも相談していなかった。

 あたしは今、『やきもち』を焼いていると、同時に隼人が『心配』だった。

 ある日の理科の授業。理科室で実験を行うということで理科室に移動し、授業が始まった。これは班活動なのだが、先生が自由人のため、あたしらも自由人になり、みんなばらばらで実験をしていた。

 そして、あたしと隼人と光樹が同じ班になった。

 実験をやり尽くし、やることがなくなったあたしたちは机に絵を描くことにした。しばらく色んな絵を描いてからあたしはちょっとした冗談であることを描いた。


 相合傘あいあいがさに隼人の名前と隼人と付き合っていると噂になっているある子の名前。


 本当は半分本気で、あたしは早く別れればいいのにと、イラつきながら描いた絵だった。

 完成してからやりすぎたと思い、あたしは隼人の顔を見た。

 隼人は一瞬、顔をしかめ苦い顔をした。あたしはびくっと体を震わせて、謝った。


「悪い。やりすぎた……」


 あたしは消しゴムを手に取り、すぐ消した。

 隼人はあたしが隼人の相合傘を消してからすぐに何か描き始めた。


 相合傘にあたしの名前とDK。


 DK=ドンキーコング。つまり、隼人はあたしをからかってきたのだ。

 あたしはすぐにカチンときて殴ろうと拳を振り上げたが、隼人が止める。


「て、てめぇ!」

「殴るなよ! これで、おあいこだろ!」

「なっ……くっ……」


 そう言われたら何も言えない。あたしの悪戯は度が過ぎているから。

 その後、それを見た光樹が大爆笑して、ゴリラの真似をして、それを見た隼人が大爆笑したのであたしは結局殴ったのだが、あたしの心は晴れなかった。


 こいつは、本当に怒ろうとしない。

 あたしは自分で言うのも何だが、短気なのですぐに切れる。でも、隼人はどんな人でも怒らなかった。

 一度だけ、嫌いな人にからかわれた時、切れそうになっていたが、でも抑えたみたいらしく何も怒らなかった。(その後、めちゃくちゃ愚痴ってるけど)

 女の人ならなおさらで、絶対にウザイと思ったことでも普通にし、解決策まで出してくれる。

 何で、こいつ怒んないんだろう。

 エムじゃないから怒ってほしいわけじゃないけど、何でも一人で抱えていそうで寂しかった。

 あたしの悩みはもうしばらく解決しそうにない。

昨日と明日、二つの話は一応セットになっています。

次回予告ですが次回は少しずつ登場人物の関係が変

わっていきます。

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