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特別な関係  作者: 夜明け
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二十五笑 集合と夏祭り

「お、片桐くーん!」


 集合場所に行くと、すでに光樹君、小坂さん、星野さんが集合していた。小坂さんと星野さんは浴衣の姿をしている。あれ? まだ、明日香ちゃんと隼人君は来てないみたいだ。

 ふと、携帯の時間を見る。もう集合時間から五分も経っている。


「明日香ちゃんと隼人君は?」

「それが、まだあたしたちも来たばっかりでさあ。先に、明日香たち来てるかなって思ったんだけど、理沙ちゃんと高橋君があたしの後に来たのよ。で、明日香と村井君はまだ来てない」


 俺が急いで、三人の元に駆け寄った。小坂さんが「もう、とっくに集合時間過ぎてるのになあ」と呆れて呟いた。

 おかしいな。もう、居てもおかしくないのに。それに、二人ともいないなんて変だ。


「ねえ、光樹君。光樹君は何か知らない?」

「しらねー」


 光樹君が素っ気無く言った。何か、機嫌悪い?


「隼人君もいないけど……」


 光樹君がぴくりと反応する。やっぱり、何か知ってるんだ。


「ねえ、本当に知らないの?」

「……」

「本当に?」

「……あー! もう! 多分、あいつ、もう来てるよ」

「あいつって明日香ちゃん?」

「ああ。今日、迎えに行ったんだけど、もう先に行ったって教えてもらったんだよ」

「え? 本当!? でも、いないってことは……」

「もしや、抜け駆けか?」


 急に、にゅっと小坂さんが顔を出す。俺は驚いて、後ずさった。


「抜け駆けって?」

「今に分かる」


 俺が訊くと、小坂さんはにやりと笑って言った。同時に星野さんの声。


「あ、明日香ちゃんたちだ!」

「お、みんなー!」


 明日香ちゃんと隼人君が小走りで駆け寄ってくる。カツッと明日香ちゃんが石につまずいて前倒れになった。


「ぬわっ!」

「おい!」


 地面に倒れる直前、明日香ちゃんは腕を隼人君に掴まれ、止めて貰った。

 どくんと心臓が高鳴る。隣で、光樹君がぎりっと歯を鳴らした。


「大丈夫かよ」

「す、すまん……」


 明日香ちゃんの顔が真っ赤になっている。これは、転びそうになった恥ずかしさから来てるのか、それとも――いや、考えたくない。絶対に違うって信じたい。

 気付くと、既に星野さん、小坂さん、光樹君が明日香ちゃんの周りに集まっていた。俺も平然とした顔で明日香ちゃんに駆け寄った。


「……どこいってたんだよ」

「あ? ああ、別に、夏祭りの下見だけど?」


 光樹君が隼人君を睨みつけて、言った。かなり、怒っている。しかし、隼人君は気付いていないのか、それとも気付かないふりをしているのか、普通に答えていた。

 光樹君が舌打ちをして、隼人君から目を逸らす。隼人君は溜息をついていた。


「みんな、遅いんだもん。あたしら、ぴったり集合したんだけど? 何で、集合時間に来ないんだよー」


 明日香ちゃんが頬を膨らませている。小坂さんと星野さんは笑いながら「ごめんごめん」と謝っていた。


「おい、光樹」


 ふと、明日香ちゃんが光樹君を見た。何か、怒ってる? 光樹君も少し不機嫌そうにしながら、明日香ちゃんを見る。も、もしかして、喧嘩になったりする?

 明日香ちゃんはしばらく、光樹君を見た後、指を突き出し、光樹君と逆の方向に指した。指された場所は射的。


「あれで、何か取っておごれ!」

「……は?」


 あれ? 怒ってるわけじゃないのか。光樹君は予想外だったのか、間抜けた返事を返す。


「遅れただろ。だから、取れ」

「はあ? 何で、俺がお前におごんなきゃいけねーんだよ!」

「それって、取れないってことか? ふっ。だっさー」

「なっ、てめー! ああ、いいよ! 取ってやるよ!」


 光樹君が上手く乗せられている。明日香ちゃんも「馬鹿め」と笑っていた。


「ほんじゃ、ガンバレ!」

「がんばれ、光樹君」


 小坂さんと星野さんが応援する。明日香ちゃんは、「あれあれ」と景品を指していた。

 横を見ると、隼人君が複雑そうな顔をしていた。

夏祭り第二弾です!

余談ですが、自分は実は夏祭りが嫌いだったりします。というか、客じゃなくて店の人がいいんです。だから、自分は夏祭りは必ず店の手伝いをしていたりします。

みなさんは、どちらが好きですか?

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