二十一笑 夏休み前に
林間学校が終わり、何事もなく過ごしていると、いつの間にか一学期も終わりになっていた。
終了式も無事に終わり、通信簿も返ってきて、一学期も終わった。
「あー、もう一学期終了かぁ」
あたしは学校終了のチャイムが鳴ると同時に大きく伸びをした。
夏休みだぁ。
「ねえ、夏休み遊ばない?」
澪が、あたしの席にやってきて言った。理沙ちゃんもやってくる。
「部活は大会も終わったし、いいよ」
「じゃーさ、夏祭りと、街に行くのと……」
澪は海やプールに入れない。アトピーとかいう症状があり、体育はほとんど休んでいた。
あたしも、海やプールは好きじゃない。どちらかというと山のほうが好きだ。
澪が、計画を立てようとメモ帳に必死に書く。
「おい、帰んぞ」
後ろから光樹に声をかけられる。あたしは振り向かず、手をひらひら振った。
「ちょっと、待って。夏休みの計画してる。先帰ってもいいけど」
「お前の母ちゃんから、ボディガードしろって言われてんだから帰れるわけねーだろーが」
「いいよ。あたしだってもう十三歳だぜ? 子供だけど、子供じゃねーし、あたしからお母さんに言っとくけど」
「そうだな、お前、何てったってドンキーコングだもんな。襲われる心配なんかねーか」
「な、てめー! 待ってろよ! あたしは、か弱い乙女なんだから、送ってもらわねーと」
振り向いて、光樹を睨みつける。光樹はにやっと笑っていた。……くぅ、むかつく。
ふんっと鼻を鳴らして澪のほうに向くと、いつの間にか隼人も慎ちゃんもいた。
みんな苦笑している。
……なんだよ。
「じゃあ、みんな夏祭り行こう」
「お、いいねー。行くか」
あたしが不思議そうに四人を見ると四人は慌てて目を逸らした。
「じゃあ、明日香はこの日行ける?」
澪がたくさんの日付が書いてある紙の一つの日付を指す。
「いいよ」
「じゃあ、理沙ちゃんと片桐君と村井君と高橋君は?」
「あ、うん」
「俺は空いてる」
「俺も」
「野球あっけど、大丈夫。その日はねーわ」
「よし、じゃあ、決定!」
澪の仕切りにより、集合時間と集合場所を決め、あたしたちは三日後の夏祭りに行くことになった。
浴衣あったっけかなあ……。
隼人をちらりと見る。隼人は光樹に一生懸命話しかけてきた。
「おい、明日香。集合場所まで一緒に行こうぜ」
「あ、いいよ」
光樹はあたしに向かって言うとすぐにそっぽを向き、鞄を持った。それから、無言で教室を出た。あたしも急いで追った。
……いい夏休みになればいいけど。
えー、夏になりました。この作品は現実と作品の季節は違うので。一応、この作品は一年間の物語というつもりです。ですから「はやっ」とか思っても言わないで下さい(笑)