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特別な関係  作者: 夜明け
20/57

十八笑 林間学校!4

 空を見上げると、星が点々と瞬いている。


「ナイトウォークだぁ!」


 隣で、光樹君が叫んでいた。

 光樹君はウォークラリーが終わってからテンションが高い。明日香ちゃんと仲直りしたのがかなり嬉しかったみたいだ。

 ……俺もだけどさ。


「テンションたけぇじゃん」

「おうっ。夜の中を探検だぜ? しかも、山ん中」

「そうだなー」


 光樹君と隼人君の会話を聞きながら、明日香ちゃんたちを探す。

 ……いた。みんなで話してる。


「明日――」


 俺が明日香ちゃんの名を呼ぶ前に、光樹君がすごい速さで明日香ちゃんの方に向かっていった。そして、カチッと懐中電灯をを向け、明日香ちゃんたちを照らした。


「うわっ」


 明日香ちゃんが声をあげる。光樹君はクスクスと笑っていた。

 俺らも明日香ちゃんのところに駆け寄る。


「ちょっと、びっくりしただろーが!」

「ぬおっ、あっぶねー」


 明日香ちゃんが光樹君に蹴りを入れる。それを避けて、光樹君が逃げる。みんな、笑っていた。


「あ、片桐君」


 誰かが俺を呼んだ。みんなの動きが止まって声のした方を見る。


「上田さん……」


 俺は小さく呟いた。上田さんがニコニコ笑っている。それから、俺の腕を手にとる。


「一緒に回ろう」

「なっ」

「ちょっ」

「マジかよ」

「おお」


 上から俺、小坂さん、光樹君、隼人君が声をあげた。

 みんな、呆然と俺を見る。

 俺は慌てて上田さんの腕を払った。上田さんの眉が釣り上がる。


「ちょ、ちょっと待ってくれ、上田さん」

「何よ。二人一組だし、回る人いないでしょ?」

「なっ、そうだけど……」


 俺は何も言えなくなった。ここで、明日香ちゃんが言ってくれたら……。

 あ、あれ? べ、別に明日香ちゃんじゃなくても、隼人君でも光樹君でも言い訳で……。俺、何でそんな事思ってるんだろう。

 顔が火照って行くのが分かる。


「でも、あ、あのさ、俺、上田さんと……」

「ちょっと待って!」


 少し諦めかけた時、誰かが声を張り上げた。顔をあげると、声を張り上げたのは小坂さんだった。


「上田さん、片桐君はさ、回る人がいるの。だから、無理だよ」

「そうなんだよ! あたしと回る予定なんだ!」

「あ、明日香ちゃん?」


 俺がきょとんとしていると、上田さんはチッと舌を鳴らした。


「そう。じゃ、仕方ないわ」


 上田さんが去って行く。

 小坂さんと明日香ちゃんは、「はあ」と溜息をついた。


「どうしよっか。あたしはともかく、慎ちゃんと回るね。さっき、言っちゃったし。ばれるとまずいから。澪、ごめん。あたし……」

「大丈夫! じゃあ、あたし、村井君と行こうかな」

「……そうだな。俺、ちょっと、小坂に言いたいことあるし」

「え?」


 何か、俺と明日香ちゃん、隼人君と小坂さんペアができている。これって、ラッキーかも?


「ちょっと、待て!」


 このまま収まるかと思ったが、光樹君が声をあげた。


「何で、俺は星野となんだよ!」

「嫌なのかよ」


 明日香ちゃんが光樹君に詰め寄る。光樹君は「うっ」と声をだした。


「い、嫌じゃねーよ」

「じゃあ、いいじゃんか」


 明日香ちゃんが鼻を鳴らす。星野さんはほっと胸を撫で下ろしていた。


 何か複雑だなあ。

林間学校編長いですねー。

この林間学校編はちなみに、フィクションです。

(その前に引越していますし、実際の話は小学生の頃の話ですから)

あ、だましてたってことになりましたが、自分はだますつもりはなかったのです。

すみません。orz

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