十二笑 あたしは貴方が好きです。
「ねえ、これってさ、どうすんの」
「あー、それはさ――」
現在、あたしは広々とした隼人の部屋で、基礎問題集を広げていた。(男子の癖に部屋が綺麗)隼人が隣で教えてくれる。あたしは、少しドキドキしながら、隼人の説明を聞いていた。
「あ、そっか。おー、なるほど」
隼人の説明は分かり易い。さすが、入学したばっかりの時のテストでめちゃめちゃいい点がとれるわけだ。
「ほんじゃ、ここら辺で終わるか」
「うん。じゃ、ゲームしよ」
素早く、問題集を片付けて、ゲームをセッティングする。それから、大声で叫んだ。
「健ちゃーん、たっくーん、ゲームしなーい?」
すると、ドドドドドと足音がしたと思ったら、バンと部屋のドアが開いた。そこに小学高学年くらいの男の子と中学年くらいの男の子がたっていた。二人は隼人の弟だ。大きい方が、健で、小さいほうが拓巳だ。あたしは、よく光樹と隼人の家に来るので、すっかり仲良くなった。
「うん、する。えっと、ねーちゃん、僕何P?」
二人はあたしの事をねーちゃんと呼ぶ。ちなみに隼人はおにいちゃんで、光樹はにーちゃんだ。
「あたし、2Pだよ」
手にするリモコンを持って、二人に言う。二人は頷いて、他の余ったリモコンを手にした。
そして、ゲームが始まる。
あたしは、速攻でボタンを連打する。あたしにはゲームに関して“手加減”という文字はない。手加減したら何か失礼だなと思っているからだ。
「ねえ、おにいちゃん」
「ん?」
健ちゃんがリモコンを操作しながら言った。隼人が訊きかえす。
「おにいちゃんって好きな人いないの?」
どくんと心臓が鳴った。ちらりと横目で隼人を見る。隼人は普通にゲームに熱中していた。
隼人は小学五年生の頃、ある女の子と付き合っていたらしい。今は分からないが、当時は手紙交換までしていたということだ。女の子の方はまだ、付き合っていると言っているらしい。
「んー、別に」
焦る事もなく平然と答える、隼人。あたしは、ドキドキしているのを悟られないようにおどけて言った。
「本当に、お兄ちゃん?」
隼人は前の付き合っている話は触れて欲しくないと言っていた。だから、詳しくは知らない。知りたいけど、嫌なら、しょうがない。
「本当だけど?」
「同姓にもいないわけ?」
「俺は、やおいのか! BLじゃねーか! 相手は光樹か! 俺、受けか!」
あたしはくすくすと笑った。そこまで、知っている隼人がすごい。まあ、こいつの知識はハンパないけど。
二人が「“やおい”って何?」と訊いてくる。あたしは、「後でおにいちゃんに訊きな」と答えた。存分に後で焦ってもらおう。
あたしは、少しほっとした。いないのかー、良かったような、微妙なような。
「ねーちゃんは?」
「え、あたし!?」
ほっと安堵していると不意打ちを喰らった。思わず、手がすべり、テレビ上のキャラクターが崖から落ちる。
「な、ミスった!」
「あーあ。ざまーみろ」
隼人が「ふっ」っと鼻で笑いやがった。むかつくなー、もう!
「で、好きな人は?」
あー、こっちも解決してなかった。あたしはの請っている三人の戦闘を見ながら言った。
「いるよ」
隼人が「えっ」と声をあげた。
「だれだれ?」
「秘密」
しつこく訊いてくる二人に適当に促す。
それから、隼人を見て、あんたなんだけどね。と心の中で呟いた。
もう、十二話目なのに、全然話が進んでませんね。早めに進めるよう、頑張ります。