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変化者の唄  作者: こげら
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変化者突撃

他の皆さまのような毎日更新は難しいため、一週間更新とさせてください。

二人はこそこそと、最初にいたシェルター(地下都市)とは別のシェルターにいた。



あのメールを見て、ラディは、かなり焦っていた。 頭に浮かぶのは、核中和作用のあるレーザーを受けて、力を失い体を焼ききられた、ガラムの事。父であり、年の離れた兄のような、おっさん。 ラディ的にも、あんな死にかたはゴメンだし、アムがあんな死に方をしたら、正常でいられる自信は全くなかった。


「とりあえず、自分勝手な事しか考えない、人間は一発殴らないとな」

「私たちにとっては、生死に関わる事だしね」

ラディの言葉に頷く、アム。



そして、二人はメールに書いてあった場所へ潜入していた。ただ、思ったよりも誰も来ない上、地下都市の入り口は、常に隠されている事が多いため、入り口も分からないという状況であり、かなり長い間、外で待つ事になっていたのだった。


そして、たまたまやって来た、馬鹿っぽいギラギラした装飾が施された人間の低飛行車を襲い、身分証明をかっさらい、都市へと入って行った。


「本当にむちゃくちゃするわね、ラディ」

「ばれなきゃいいんだよ。」


そんな事を言いながら。



人間のとてつもなく大きな屋敷の中、大々的に除幕式が行われていた。

「・・・と言うわけで、今も我らは虐げられているっ!この現状こそが、罪でありっ!・・・・」


太めの男が、大きな布がかかった人の身長以上に大きい何かの前で叫ぶように話しをしていた。

身振り、手振りで話しをし続ける。


「これを使い、我らが再び、神となり・・・」

すでに数時間、ひたすら喋り続けている、男。

メールを見て、集まって来ていた人間たちは、そんな男を無視して、食事をしたり酒を飲んだりしながら、過ごしている。

しかし、ほぼ、全員の額に青筋が浮かんでいた。


参加者全員の思いはただ一つ。


「さっさと、次に移らんかい、クソボケ」 

だった。


そんな時、一人の人間が走り込んで来た。

「大変です!何者かが、侵入して来ました!おそらく、異形の者かと!」


「なんだと!」

慌てふためく、人間達。


しかし、一人だけ、冷静にたたずむ奴がいた。


あの大演説をしていた男である。


「大丈夫だっ。この神の力があればっ」


布をばさりと取り去ると、真っ黒い丸い機械が姿を表す。


「さあ、今こそ、おかしな、イビツな者を排除する時っ!


スイッチ  オーーーン」


ポチッとボタンを押そうとした時。


「させるかああああ」


声とともに、大会場の入り口のとてつもなく大きな扉が飛んで来た。


 男に、それ()はあたり、一緒に機械に向かってぶっ飛ぶ。


「間一髪ね。本当に、むちゃしすぎよ」


「仕方ないだろ、入り口の人間は、殺してないから大丈夫だっ」


黒い異形と、女の子が入って来る。

ラディとアムであった。


「さて、厄介な物は壊すに限る」

ラディが機械近づき、すぐそばまで来た時、機械が不思議な光りを放ち始めた。


「危ない!」

アムが叫び、一緒で紫色の少女になり、ラディを突き飛ばした。


予測していなかったため、普通に突き飛ばされるラディ。何が起きたのかと、後ろを振り返った時、機械は光に包まれ、消えた。

アムと一緒に。


「アムっ!」

ラディが叫ぶも、返事をしてくれる人はいない。


呆然としていると、人間用の防衛システムなのか、感情も、空気も読まない警備ロボットがわらわらと出てきた。


「くそっ。どけっ!」


ラディは走り始める。とりあえず、外に向かって。アムを探さなくてはならない。

邪魔なロボットは手当たり次第破壊する。

ラディの拳は、鉄のロボットを貫通し、蹴りの一撃でスクラップになる、警備ロボット。


しかし、アムが目の前でいなくなってしまった衝撃からか、ラディの動きはどことなく、ぎこちなかった。


そして、その違和感は長期戦では、ミスを生む。


ラディは倒したはずのロボットにつまずいてしまった。

しょうもないミス。しかし、物量戦を仕掛けられた時、してはいけないミス。

一瞬動きが止まった時に、ロボットに掴まれた。

一体に掴まれれば、動きが鈍くなる。

あっという間に、ラディは、ロボットの群れに取り押さえられ、飲み込まれていった。


電撃を全身に受け、薄れる意識の中、ラディは誰かの声を聞いた声がした。



「転送終了しました」


落ち着いた声のオペレーターが、報告を行う。


「上手くいったか」


仮面をつけた、黒マントの男が返事をする。


「誤差数ミリです。成功なのですが、問題も」

「何だ?何かあったか?」


「近くにいたと思われる、変化者も一緒に転送してしまいました」

「そうか。そっちは処分すれば、いいだろう。機械の方は動くのか?」


「今から、調査してみないと、返事は難しいかと」

「とりあえず、神の装置、拝見に行くか」




男は、ゆっくりと黒い塊を眺め、そして、二人に左右から支えられている、少女に目を止めた。


「あれか?オマケについてきた変化者は」


「はい」


男は、じっとアムを見て。


「かわいいではないか。処分は保留して、閉じ込めておけ」


と言い残し、その場から離れて行った。








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