表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変化者の唄  作者: こげら
1/17

プロローグ

昔に友達に配った作品の修正版になります。

紙媒体がぼろぼろになったので、ちょっと間借りして保存いただけばの気持ちです。

 導入部がくどいなら飛ばしてかまいません。世界観の説明だけなので。 後 この作品には、差別用語、差別意識、暴力、など胸クソと言われている表現も含まれています。虐げられた者たちの話しですので、苦手な方はスルーしてください。


真っ暗な森の中。静寂が支配する森の中を、一つの影が横切った。


月明かりの中に浮かび上がった、その姿は、人ではない。獣でもあり得ない。異形。そう言うに相応しい姿であった。 黒い体に、紫の髪。目は赤色のみで、皮膚はサメのようにざらついて見える。背中には、真っ黒な角が羊の角のように飛び出ている。


 森も木そのものが黒く、手入れすらされていないため、森は黒に支配されていた。

唯一、月明かりが色を見せてくれる明かりだった。


今、異形の者が追いかけている生物。その姿もまともではない。

 黒い斑点が、その体中についている、脚が6本ある、馬のような生き物。


 そして、異形の者は、風を置き去りにする速さで、おかしな馬を捕まえ、あっという間に首をへし折る。


 「やれやれ、やっと獲物が狩れたか」


 突然声がした。


「馬一頭捕まえるのに、何日かかってんだか」


その声が続ける。


「うるさい、サボり魔が。お前が半日以上寝てるから、こんなにかかったんだろうが」


黒い異形の者が反論する。


奥から出てきた声の主は、肩をすくめた。

その姿も普通ではなかった。


ワニのような皮膚を持ち、体は赤茶色。角は無いが、目は青色一色で、白い髪であった。


「さっさと帰るからな」


黒い異形がそう言うと、馬を肩に担いで動き出した。

といっても、速さがおかしかった。ゆっくり歩き初めている初速から、競輪自転車の最速並みの速さである。


もう一回肩をすくめるともう一体の異形も森の中に消えて行った。


ここは、緑豊かな星として、長年生き続けていた。地球とほぼ同じ大きさ、ほぼ同じ環境の星。


いや、そう思われていた。少なくとも、数千年前までは。

歯車が狂ったのは、たった一つの種族が現れた後。


人類と呼ばれる種族。


彼らは、いつからか、核と呼ばれる、超兵器を持っていた。

そして、その力を影響をろくに調べる事もなく、全面戦争に突入した。


核は地表を乱れ飛び、結果、日が全く差さない日々が過ぎ、暗黒戦争と言われる泥沼の中、地表は死んだ。


 動物は、全て生き絶えたかと思われだが、生命は形を変えて生きていた。異形の者(ミュータント)と呼ばれる物へと変化をとげた。

もちろん人類も例外ではなかった。


今、星にいる大半は異形の者。彼らは、核廃棄物の混ざった物を食べ、放射線のあるところでは恐ろしい能力を発揮し、恐るべき長寿を可能にしていた。


それは、進化なのか、退化なのか。それは誰にもわからない。

ただ、今の環境を生き抜くためには、その姿が一番良いのだろう。


赤と黒が支配する星、昔、緑星と呼ばれていた星の今の姿だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ