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老人 i  作者: 鎌手
1/3

ある所に老人がいました。












[2018.07.07.01:23]




「受……号4…番の……畑…さん 川畑…さん…… 受付番号44番の川畑茂さん 順番になりましたので診察室へお越し下さい。」






アナウンスで意識をハッ…と戻す。

頭がボケてきたこの頃、ボーッとする事が多くなったようだ。いかんいかん

診察室へ行かなくては。

「よっこらせ………っ……」




診察室へ入ると医師がコンピュータに向かって作業をしていた。

私に向き合うと


「茂さん。 そちらの席へどうぞ。 お体の方はいかがですか?」


「………あぁ、ありがとう…。 鎮痛剤のお陰で少しいいよ…。」


「これで、クスリともお別れですから。 」


……………


「………まさか明日で寿命とはな………。」


「はい……。 我々の力不足のせいです。 申し訳ありません…………。」


「…いや、君らは私のために全力を尽くしてくれたよ。 元はと言うと、私が海外で病気を拾ってきたのが始まりっっゴホッゴホッッ

そして、放置して過ごしてきた。自業自得とはこのことだろう……。」


「…………。」


「…この病気の良心的な所は画鋲が刺さったような痛みがあるだけで、動くの には問題ないことだ。」


「体の内部全体にその痛みがありますけどね…………。」


「それで、ここに来た目的だが鎮痛剤を幾つか貰いに来た。 君が独自で調合した、あれだ。」


「分かりました。 12カプセルでいいですよね。」


「…………あぁ、ありがとう。」


鎮痛剤を受け取る。


「じゃ、帰るとするよ。 今までありがとう………。」


「はい………。 今まで、ありがとうございました…………。」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


病院へ出ると車に乗り込んだ。 周りには車が多く、今流行りのSUVタイプの車が前を通過した。


その車の後について行き、出口に向かう。


最近、高齢者の事故が多いと言われていることをふと思い出す。


…私は車を運転してきて58年間、事故をした事はないが油断してはならん。 油断大敵油断大敵。


国道を走らせる。 やはり、この車「プリウス」はいい車だ。 外観デザイン、燃費、環境への配慮等、どこも素晴らしい。


…赤信号に捕まったため、止まる。



(明日までか……。)

信号待ちをしている時は、そればかり頭の中が埋め尽くされた。


妻は先立ちした。 息子は震災以降、行方不明で連絡がつかない。


親戚とは昔、遺産争いをしてから縁を切られた。


…今の私に失うものは何も無い。


(丁度良かったな……)


と、考えて運転するうちに家に着いた。


風呂に入って寝よう。


恐らく、これが最後の眠りになるだろうな…。


布団に入ると眠りについた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


眠っている時、ある夢を見る。


見たこともない服装をした少女が、私に質問をしてくる。


「貴方は今まで生きてきて、1番幸せだと思えた時期は何歳ですか?」


私はその質問に悩みながらも答える。


「日常が楽しかった、8歳だ。」


すると、彼女はこう言ってきた・


「分かりました。 その設定にしときますね。」


(はて? 設定?)


次の瞬間、ふっと身体がふわっとしたかと思うと自分を見下ろしていた。まるで幽体離脱をした時のように。


そして、私は徐々に昇っていく。


「昇天というやつか…?」


意識がふっ…っと離れる。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





書きます。恐らく続けます。期待しないで下さい。お願いします。

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