異世界から現実世界に魔法学校の優等生が迷いこんだら
仕事をクビになったら、異世界から来た女の子を捕まえることになった
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のスピンオフです。
もう!どこ行っちゃったの?
君はいつも迷子になっちゃう。
みんながいっぱーい心配してる探し回ってるのに、君はいつも得意気な達成感たっぷりの顔でヒョコっと顔を出すんだ。
みんな君の笑顔が憎めないから、いつも何にも言わないけど、すごく心配してるんだよ?
今もまた迷子になっちゃってさ、委員長である私が君を絶対見つけてあげるからね!
あれ?
ここはどこだろ…?
見慣れない木で出来た建造物に、目の小さな体格の逞しい種族もいる。
こんな種族は文献でも見たことがないわ。
でもとりあえず、君を探してあげなくちゃ。
水晶はお家に起きてきちゃったけど、ホウキがあるから、空から探そう!
フワッ
もう少し上まで行くかな。
君はどこにいるかなー?
………!
あ!烏が3羽いる!
願い事しなくっちゃ!
君と一緒になれま…!あ!ま、間違えた!何言ってるんだろ私。
君を見つけれますように。君を見つけれますように。君を見つけれますように。
よし!
あれ?
下が騒がしいな。
私のこと指差したり、四角いのをこっちに向けてたり、ザワザワしてる。
ここでは、飛ぶ時にホウキには乗らないのかしら?
「\\\&&\&&\\&(魔女子さ~ん)」
「$+++×&/〉〉¥¥(こっち向いて~)」
「〉〉¥」¥¥++/+¥×.^!(魔女でしかも、眼鏡っ子だ!)」
何かこっちに話しかけてるようだけど、聞き取れない言葉だな。
ホントにここはどこなのかしら。
あ!いけない。君を探さなくっちゃ!
ピュ~ン
…、…、…、…。
いないなぁ。
君を探してるつもりだったのに、これじゃ私が迷子みたい。
え!?もしかして、私迷子になっちゃったの??
どうしよう!こんな言葉も分からないし、謎の種族が闊歩するこんな所。それに君だってまだ見つけてないし。
ぐすん。
しくしくしく。
ダメダメ。また泣いてたら君に馬鹿にされちゃう。
「そうだよ。泣いてたら私困っちゃうからな~」
そうそう。君はいつもそうやって…って、あれ?
「委員長。私を探しにきてくれたの?」
あ!やっと会えた!
会えたと思ったら、ホッとして、余計に泣けてきちゃう。
「委員長、そんなに泣かないでよ。もう迷子にならないから」
「な、泣いてなんかないわよ!」
「じゃあ、その目から落ちてるのは?」
「こ、これは、キートを食べ過ぎた…、ただ、それだけなんだから!」
「そうかそうか。やっぱり委員長は可愛いね」
な、何言ってるのよ!
「ほら、顔が赤くなった」
「なってない。なってない。」
君といるといつも調子が狂っちゃうよ~。
「あ、そうだ。委員長!ここの国にもキートみたいなのが、あるんだよ!」
「ここって、違う国なの?」
「ああ、たぶんだけどね。言葉も通じなかったでしょ?今からキートもらってきてあげるよ」
「¥¥××.×¥¥(ねぇ、お姉さん)」
「)×××^//++,$$&:&「」$,・,!(お姉さんなんて、あんた気に入ったよ!」
「・・,$$\・,:(あの子にもヤキイモ食べさせてあげたいんだ)」
「"-`"".``(\\))))(((&([~[["""``)<<&<(なんだいそんなことかい。お安いご用さ。なんなら、一つあげるから、二人で分けな)」
「^=/::(ありがとう)」
すごい!君ってば、いつからこんな言葉をしゃべれるようになっちゃったの!
「すごいね!ここの言葉いつ覚えたの?!」
「ふふふ、それは、内緒。委員長が私ともっと仲良くしてくれるなら、教えてあげてもいいよ?」
「な、なに言ってるの!?ば、馬鹿じゃないの?!」
な、仲良くって、ど、どういうことしたら、仲良くなっちゃうんだろ?!?!?!
「ふふふ、委員長可愛いね。ほれ、これがこっちのキートだよ」
「ありがとう」
パクはふはふはふ。
お!美味しい~!
「委員長、これ美味しいでしょ?この食べ物はヤキイモって言うんだよ?」
「君って、物識りだね」
「だてに、迷子いっぱいしてないでしょ?」
「もう、調子になるな!」
「ほっぺた膨らませた委員長も可愛いなぁ」
「また、そうやって。誰にでも可愛いって言ってるんでしょ?」
「そんなことないよ。ホントに」
「え?!そ、それって、え?!そ、その?!あ、ああ、あの体格の良い種族って何って言うの?」
「ああ、あれね。あの種族はオトコって言うんだよ」
「オトコか。やっぱり聞いたことがないな」
「委員長でも知らないんだ。あのオトコってのが厄介でね。飼われた下等種族なのに、ご主人に背いたり、偉そうな口を使ったりするの」
「しゃ、喋るんだ」
「そう。だから、私がちょっとしたイタズラをしてやってるの。委員長見てて」
!$~\\\\\
えい!
バシュバシュバシュ
「きゃー!」
「ほら、委員長。あのオトコの衣服を破っちゃったの。楽しいよ」
「もう、君ってば、いくらなんでもオトコがかわいそうだよ」
「じゃあ、委員長はやらない?」
「やる!」
君に合わせて、最小限の風で。と。
!$~\\\\\
えい!
!$~\\\\\
えい!
バシュバシュバシュ
「きゃー!」
バシュバシュバシュ
「きゃー!」
「ほら、楽しいでしょ?」
「うん!」
君って、いつもこうやって迷子の間、遊んでるのかな。
でも、私の大切な君。
「委員長、私の名前呼んでくれなくて、ありがとう」
「う、うん///」
一人前になるまで、想い人の名前を声に出してもいけないし、心で名前を思い浮かべてもいけない。
早く、君の名前を呼びたいなぁ。