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第30話『観測』

 風吹く街フリューゲル上空。分厚く仄暗い積乱雲に覆われた空を、一隻の魔昇船が飛行していた。魔昇船とは、舵主の魔力を吸収して浮遊する言わば飛行船の様なものなのだが、暴風警報中は基本飛行休止である。風に煽られて墜落して多大な影響を与えてしまう恐れがあるためだ。街を旋回しながら上昇していく一隻の魔昇船は、観測士ロッドが特例で飛行許可を舟屋に申請して運航している。

 突如発達した積乱雲の原因の調査と解決、それが今回の目的だが、肝心の観測士長のノヴァは迷子の迷子の子猫ちゃん捜索に乗り出している為、代理で助手のロッドを筆頭に、水属性ヒーラーのウィンディーネ、火属性銃士のルフ、オールマイティなフィノ、三人の子供を乗せて任務に当たっている。果たして、この人選が吉と出るか凶と出るかは、神のみぞ知ると言ったところであらすじを終える。

 船内、舵の前で空模様を伺いながら、観測士ロッドは魔昇船を慎重に運転している。その横でフィノはただ突っ立っていた。別段何もなく、お互いに話し合う事もなく、外の雨風の音だけが耳に入っていた。と、ただ黙ってニコニコしながら見つめるフィノの目線に耐えかねたロッドは、重々しくその口を開いた。

「さっきからなぜにお前は俺を観察している? 透視でもしているのなら良してくれよ? スタイルはそんなに良くないからな」

「あはははー、そんな事できるけどしないよー。目の保養があってもキツいからねー」

 呑気にヘラヘラとしているフィノに呆れてしまうロッド。

「お前なぁ……まあいい。あいつが紹介してくれたんだ、それなりに期待はしている」

「そりゃどーも」

 再び黙り込む両者と気まずい空気が流れていく。


 一方で、ウィンディーネとルフの二人は、魔昇船内下層の食糧貯蔵庫にいた。暗い空間に心もとない電球一つが光を点して、貯蔵庫に薄明かりを放っている。今回の運航は短期なので、貯蔵庫には食糧品は積載されておらず空間だけがあった。

「貯蔵庫か? んなとこ何の用だ? 腹でも減っーー」

 部屋を眺めながらそう訊くルフに、突然ウィンディーネは距離を詰めた。突然の事でルフは慌てて退き、壁とウィンディーネで挟まれてしまった。

「ぉお、おお?! な、なな、なっなんだよ? どーしたんだ、おい?」

 動揺を隠せず、顔を赤くしたルフが顔を逸らしながら慌てふためいていると、ウィンディーネは突然泣き始めた。

「……ごめんなさい」

「へえ?」

 謝罪の言葉。一体何に対しての言葉なのかを理解出来ずこんがらがっているルフ。声を震わせながら、流れ出る涙を我慢しながら、必死に言葉を紡ごうと口を開くウィンディーネ。

「……痛かった、ですよね……ごめんなさい、私、どうかしちゃって……」

 その謝罪は、拠点であるガルモーニャ、その集会所にて、ルフの心臓を魔法で貫いた事だろう。心臓を貫かれて生きている自分は化物だなと再確認したルフ。今思えば、あの時のウィンディーネと今の姿には相違ある事に気づく。

「あ、あぁ……その事か……。別に傷はもう塞がってんだ、気にしてねぇよ。……あの時のお前……一体どーしたんだよ?」

「……分かりません、です」

 涙を必死で堪えようとして我慢できていないウィンディーネは顔を俯かせ、ゴシゴシと顔を擦っていた。そんなウィンディーネに、ルフは頭をポンポンと撫でた。

「元気出せよ、な? あぁ……えーっと、その、だなぁ……」

 言葉に詰まり、黙り込んでしまう、ここぞと言う時に弱い男の子。何か言葉をかけてあげたいのに言葉が出て来ないのだろう。……くそ、じれってーな! 私、狐火木ノ葉ちょっとやらしい雰囲気にしてきます!

 目線を右往左往しながら必死に言葉探しの旅に出ているルフ。その時だった。魔昇船に強烈な下降気流が激突し、船体が後方へと大きく傾いた。気を取られていたルフは足を取られて、目の前のウィンディーネを押し倒すような形で倒れてしまった。

「うわ?! ご、ごめ、ん……」

 咄嗟に起き上がろうとするその目と鼻の先に、涙目のウィンディーネの顔があった。あまりに近すぎてお互いに息が当たる程に。その状況に固まってしまう女の子耐性すっからかんのルフ。鼓動が早まっていき、顔がどんどん赤くなっていく。

「……ルフ?」

「ぁあああ、ぁばばば(ry」

 回らない舌は意味不明な羅列を続け、ルフは飛び起きるように立ち上がると、フラフラと千鳥足でウィンディーネから離れる。舌は回らないくせ、目線はグルグルと回り続けて動悸のように心拍数は早鐘を打つ。血流が上がって体温が上昇すると、ルフからは蒸気が昇り始め、遂には顔から爆発を引き起こして失神してしまった。

 同じくして顔を赤くしていたウィンディーネは涙を拭いて立ち上がると、倒れてしまったルフに近寄り、声をかけてみるが応答無し。鼻から出血しているのを確認して、鼻を強打してしまったのだろうと、勘違いの診断を繰り出したウィンディーネは、ルフの鼻を治すために治癒魔法をかける事にしたのだった。


「もっしもーし」

『レ……ぉおぅ、木ノ葉か、どーした?』

 エシラ山山頂、長筆に灯した火属性のインクで暖を取りながら救援待ちの私、狐火木ノ葉は、隣に座るネイゲル族の少女シルフィーに助けてもらいながらここまでやってきた。悪天候のエシラ山頂上は吹雪に見舞われて、焚き火はすぐに掻き消されるため、火属性の魔力を利用しているが、フィノちゃん曰く、魔力を放出しているのは長筆本体らしいので、魔力枯渇を気にせずあやかっている。

 暇潰しにポケットから取り出した人類の結晶をいじる。異世界に飛ばされて以来、機能を失って使い物にならないと思いきや、電波が地球に届く事や充電が切れないなど、どう解釈したら解決できるかも分からない原理で以前変わらず利用させてもらっている。決して作者の物語がガバってるとか、理由なしでテキトーに書いている訳ではない。一番気にしている事はスマホ代は一体どうなるかと言うことだが、そんなのを気にしている程、自宅チックではない。と、久々に幼なじみの日向大地に電話をかける事にした。

「暇だ、なんか話せ」

『パンはパンでも食べられるパンはなーんだ?』

「パン」

『…………』

「…………」




 たわいない所ではない身にならなさすぎる、キュウリよりも栄養素のない話が続く。ふと、日向大地とゲームの話になった。

『お前さ、あのゲームはどこまで進んだよ?』

「あのゲーム?」

 それは、私が高校を卒業し、晴れて大学生として一人暮らしを始める前、卒業後一時的な休暇中、日向大地と一緒に買いにいったVRゲームの事である。当然、その後に異世界に飛ばされてしまったので、そのゲームは箱から取り出す間もなく、今は自宅で埃を被っている頃だろう。

『そろそろオンラインでよ、クエストでも一緒に行かねぇかなってな。ま、お前の事ならもう既に全クリしてんだろうけどな』

 未開封完品だった。どうやら、そのVRゲームは大流行していて、大学でも話題が尽きないとの事。転売したら元が取れそうな気がしている。

『んな事はどーでも良いんだが……』

 自ら話し出したゲームの話題はどうでもいいらしく、日向大地は何やら訊きたい事がある様だった。

『木ノ葉……悩みがあるだろ?』

「らしくないねぇー、大地。クラスで一番楽観的で狐火木ノ葉は砕けないと言われた程にポジティブヒューマンな私に悩み事があると?」

 日向大地、彼は一見すればただのどこにでもいるようなデフォルト男子で、馬鹿丸出しの典型的なキャラクターだが、肝心な時は勘が良くて人の心理を突いてくる。だから勘のいいガキは嫌いだよ。

『その飄々とした態度が何よりの証拠だ。大学デビューで張り切ってんのか? いや、お前が何をしようと俺の知った事じゃないけど……異常だぞ? まるで二重人格だ』

 そのワードですぐに勘づいた勘は悪いガキ。異世界転移に当たって交代で地球に飛ばされた女の子レイナの事だ。姿形は同じでも、頭の中は別人だ。大学の話から、レイナはしっかりと地球には馴染めている模様だが、性格までは偽装できない。

「……もし、私がさ……もしも、異世界にーー」

「狐火さん!!」

『んあ? 誰かーー』

 シルフィーの声にハッとしてスマートフォンの通話を切った。シルフィーが見つめる先、読んで文字の如く暗雲立ち込める空に一筋の光が降り注ぎ、目の前に落ちる。落雷とは似ても似つかない、それは着地すると収束して人の形を形成していく、恐らく敵だ。

 人類の結晶をポケットに入れて、すぐさま長筆を掴み、襲われる前に先手を打つ。見た様で雷属性だと推測できるが、雷属性に有効な属性を知らない。今できる最高火力を持って一撃で仕留める事にした。

幻想色彩(フィクションカラー)禁忌(フルフレイム)!!!」

 火属性の魔力を筆先に溜める。溜める事に火力は増していき、筆毛の色は赤から金に変化して光を放ち始めた。

「食らって爆ぜろ!!」

 そのまま敵へと駆け出し、形成し終える身体にその一撃を決める。触れた瞬間に溜め込んだ火属性の魔力が破裂。爆炎を巻き起こして私を後方へと吹き飛ばした。威力に対してひ弱な私の身体は意図も容易く吹き飛ばされる。積もった雪にダイビングヘッドを決め込んで無事不時着。

「ゴッホゴッホッ! ちょっと?!」

 咳き込む敵の声が爆煙の中からした。仕留め切れていない。すぐさま追撃を仕掛ける。

「シルフィー!!」

「風の恩恵!!」

 シルフィーが魔力で作り出した暴風が敵目掛けて放たれる。それに合わせて長筆をフルスイングする。風属性のインクを風の恩恵に乗せて。

「名付けて、幻想色彩・風加護暴風(プラスブロウウィンディ)!!!」

 風の恩恵と幻想色彩による暴風が混ざり合い、複雑な乱気流が雪や木片を巻き込みながら爆煙に突入し、着弾。山頂に一本の竜巻が完成して空と繋がる。私とシルフィーは至近距離にいたために風に巻き込まれそうになるのを必死に岩に張り付いて耐えていた。

「や、やばすぎ……」

 かなりド派手に仕掛けたおかげでネイゲル族のキラーたちには完全にお目についてしまっただろう。どのみち既にバレているなら殺るしかない、生きるために。

「狐火! 私、私だよ!! 攻撃やめ! 攻撃やめ!」

 竜巻の中から敵の声がそう叫ぶのが僅かに耳に入る。私の名を呼ぶ声からキラーではなく、私を救出しに来た人物だ。非常に申し訳ない気持ちが込み上げてきた。竜巻が散ると、そこにはぐっちゃぐちゃになった小さな少女の姿。金色の髪と赤いマフラーが見覚えのある少女は、身体のパーツがハチャメチャになって、まるでデジタル画像をバグらせたように段々でズレた様な外見をしている。

「敵じゃないよ、もお」

 その身体は一度電気に変化してから、再び身体の形を作り、元の人間に戻る。

「ノヴァ?!」

「そ! フィノから話は訊いたよ。仕方ないから助けに来てあげたの、感謝しなさい!」

 出た、典型的ツンデレキャラ!

「あれ? この前はツインテールだったのに、やめたの?」

 以前会った時のツンデレキャライコールツインテールの法則が崩れた瞬間だった。

「どこかの誰かさんのおかげでナチュラルになったわ」

「さーせん」


 一方、フリューゲル上空4000メートル程を魔昇船に乗って、観測士ロッドは巨大積乱雲の調査中。フィノにいじられながら暇そうに船を操縦して、旋回しながら浮上を続けるロッド。暴風に煽られて時折進路が外れそうになるのを修正しつつ、何事も無く積乱雲の最低層まで浮上しきった。真っ暗闇が顔を覗く大穴が頭上に広がる。積乱雲の大穴に吸い込まれているような、渦を巻く上昇気流が発生していて、地上の空気を吸い込み続けていた。その空気に含まれた魔力が積乱雲の中に貯蔵され続けて、上空には膨大な量の魔力が浮遊している。この魔力に魔法をぶつける事で、集中していた魔力が破裂して巨大積乱雲が分散されるらしい。

 ロッドは魔昇船の舵輪から手を離し、自動操縦に切り替えて船舶の座標を固定した。暴風に煽られつつ、自動操縦装置はひたすら元の座標へと位置を戻し続け、上空でホバリング状態となった。

「よし、待たせたな。俺を観察し続けるのも飽き飽きだろう? お前たちの出番だ」

 道中、延々と背後から視線にあてられてウンザリそうな表情でロッドはフィノにそう言った。

「あっはは、お疲れさん」

「蒼髪と茶髪のお二人さんはどこへ?」

「ふふん、さあね」

 何やら知っているだろう含みのある言葉を吐いて、フィノは甲板へと歩いていった。ロッドも特に気にはせず、フィノの後につく。

 甲板は風を遮るものなどなく、吹き抜ける突風に身体が揺さぶられる。と、揺さぶられているのはロッドだけで、フィノは何事なく悠々と歩いている。

「一体、どうやって立っているんだ、お前さんは?」

 腰を落とし、風圧に耐えながら足を這わせているロッドは、風音に飲まれないよう声を張ってフィノに尋ねる。フィノは振り返ると、屈んでいるロッドに近寄り、その手を握った。唐突な行動に訝しげな顔をしてしまうロッド。その瞬間、急に身体が軽くなった。

「は?」

「あははー、ちょっといじらせてもらったからねー、空気抵抗」

 フィノは、自身の身体に対しての空気抵抗を緩和させるよう、ステータスをいじったらしい。暴風に煽られても、空気抵抗が少なければ風圧も小さくなり、歩けるようになるという訳だ。

「おいおい、何でもありかよ? 神様に愛されて止まないね、嬢ちゃん」

 感心と関心が止まらないロッドだったが、フィノのおかげで自由が効く様になったので、さっそく仕事を始める。

 甲板から見上げる空、渦巻く積乱雲へと対峙する。轟々と鳴り止まない風切り音。真っ暗闇が顔を覗く。

 ロッドは右手にはめている手袋に魔力を伝わせる。ゴツゴツとした黒い手袋、所々に緑の線が規則的に入ったデザイン。その緑の線が光を放ち始めると、一瞬にして右手に一本の刀が出現した。それは手袋型魔納具だ。魔納具とは、武器やアイテムなどを収納しておく道具。風の性質を利用し、内蔵している魔納石に魔力を伝達させると、光を放ち、収納していたものが取り出せるようになる仕組み。

「見た事ない武器だね、お兄さん! それは一体何?! ちょーっと舐めるように見させてもらっていいかな?! いいよね?!」

 武器商人の血が騒ぐフィノは興奮気味でそう早口で伝えると、既に舐め回すように観察を開始していた。

「旧型モジュール刀だ」

 長さ180センチ程、鈍色の刀身には一定間隔で穴が空けられている。鉄板をそのまま使ったような無骨な外見、とても重たそうに見える。元々は、旧観測所のモジュールパージアンテナと呼ばれる装置の一部だったもので、使われなくなったパーツを加工して錬成した刀だと言う。

 ロッドの説明にふむふむと目を輝かせながら聴き入るフィノ。もう勢い余って刀身を本当に舐め回しそうだったと、後のロッドは語るのだった。

「ま、まあ、見てな。この刀の醍醐味はーー」

 ロッドは刀を両手で握り、逆風の構えを取ると、下から上へと一気に切り上げる。

「波動、逆雷(サカヅチ)

 刀身に雷の魔力が伝わり、刀身の穴から煙が立ち上がり、雷の魔力と共に上方向へと、雷を帯びた竜巻が打ち上がった。その一振は、積乱雲に飲まれると雷鳴に変わって空に閃光を放つ。

「魔力を通すとホール部からモジュールを放出する事ができる」

 天候操作に使われる、モジュールと呼ばれる煙。モジュールに乗せて波動を放つ事で、波動の属性値を増幅させる機能があり、魔力消費を抑えつつ高火力を発揮できる。

「だが、一撃じゃ、お天道様は満足いかないらしいがな」

 積乱雲は依然勢力を落とさず、暴風を吹き散らかす。その時、先程までの渦巻く上昇気流が突然ピタリと止んだ。

「……止んだ……?」

 瞬間、魔昇船に強烈な下降気流がぶつかった! 甲板にいる空気抵抗が下がった二人にも、その風の影響を受けて足を取られて倒れた。

「いたたた……これまた厄介なのがご登場だね」

 尻もちをついたフィノはこの期に及んでもヘラヘラとにやけ顔で空を見上げる。積乱雲の大穴に、雲を固めたような何かが蠢いているのが目に入った。それは徐々に魔昇船へと近づいてくる。下降気流はより一層激しさを増した。

「あれは一体何だ? 自然現象……いや、生き物か?」

「ちょっと攻撃してみようかな」

 フィノはステータスを宙に展開すると、数百メートル先、独立して浮いている雲の塊へとステータスを飛翔させて貫いた。手応えもなく、ただの雲塊だ。

「雲だねー、それ以上でもなくそれ以下でもない、雲だよ」

「それは見れば分かる。しかし、この大荒れの中、一塊だけが独立して高度を下げているのはおかしい」

 ロッドは再び刀を下に構えると一気に上へと切り上げ、雷を帯びた竜巻を飛翔させる。真っ直ぐ一直線で雲塊に当たると、風圧で雲塊は四方に分散した。

 直後、分散したはずの雲が一箇所に収束し始めると間もなく元の形に戻ってしまった。気体の雲が、全く同じ形にくっつき直すなど、増してや暴風がやたら滅多ら吹き乱れる上空で一箇所に纏まる事など天文学的確率所の話ではない。

「魔法攻撃か? 一体誰がどういう目的で俺たちを狙っているのかは知りもしないが」

「気持ちさ、翼竜みたいな見た目してない、あの雲」

「そういうとこは子供なんだな、お前さんは」

 ただ徐々に高度を下げつつ魔昇船に接近してくる雲塊を一先ずは観察する事にした二人。フィノの言う通り、その雲は翼竜のような形を模しているが、何をする様子もない。

 と、魔昇船と雲塊との距離が十数メートルを切ったその時だった。翼竜を模した雲の口に当たる部分がパカッと開いたように雲の形が歪んだ。

「お、おいおいおいおい……まさか……まさか、生物なのか?」

「あははは、おもしろくなってきたー」

 雲塊の行動を予測したフィノは魔昇船のサイズに合わせて巨大なステータスパネルを展開して防御に構える。ロッドも刀を横に凪いで雲壁のバリアをステータスに被せるように張った。十中八九、雲塊から放たれるはーー

 どうも、セブンイレブンの蒙古タンメン中本監修のカップ麺に、ハーブ味のサラダチキンをぶち込んで、Monsterと一緒に頂く引きこもり系小説家、星野夜です。

 前回から二ヶ月の休憩期間を経て、無事帰還致しました。え? サボってたって? まさかまさか、ご冗談を。別の趣味に移行していただけで、決してゲームが止められなかったり、Twitterに浮遊してた訳ではありません、決してです。


 さてさて、そんな自分語りはさておいて、今回は第30話、ロッド率いる観測隊が何かと衝突、そして救出班ノヴァがエシラ山頂にて狐火木ノ葉と合流しました。

 そして、お久しぶりのご登場ですが、狐火木ノ葉の幼なじみ、日向大地くんは未だに終盤のキークエストがクリア出来ていないらしいです。頼みの綱の狐火木ノ葉は異世界転移してしまったので、彼の冒険はあのキークエストに妨げられて終わる事だろう。冒険はいつか終わるんだ、いいか? 終わらない旅は存在しない。そこで躓いてしまったのなら、いっその事、日向大地も狐火木ノ葉みたいに旅に出るといい。きっとゲームでは味わえないだろう充実感をその手にできるだろう。


狐火「いや、私はどこぞの作者の気まぐれで異世界に飛ばされただけで不本意ですが?!」

日向「俺も異世界転移はごめんだ」

狐火「冒険なんて面倒な事はやめて、寝室でゲームに限るよ。今は誰でもご自宅で冒険する時代なんだからさ」


 異世界転移系小説壊滅の危機ですが、僕の冒険は狐火木ノ葉に丸投げて続いていきます。次は第31話へと行こうか、小説を手に。

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