『フィノの熱弁:筆使いの性質』
まずは筆使いには戦闘スタイルによって五つの型に分かれる。アタック、スピード、サポート、バランス、エクストラの五つ。それぞれに特色があり、攻撃種属が異なる。もちろん、形もバラバラだ。
筆使いの特徴としては、インクによるマーキング効果が言えるよ。マーキング能力の頂点に位置するのが筆使いだからね。何より複数の対象物を正確にマーキングする。名前から対象者の外見情報なども記録してくれる。筆使い自身が、名前を知らなければ不明記になるけど。それでも最低限五体以上を同時マーキングできるのだから便利だね。熟練者や天性の才能の持ち主ならば、百を越える場合もある。
ただ、なぜ筆使いがランク5に相当するのか、気になるでしょ? 前にも言ったように、対応能力がハードだからなんだ。
筆使いは物理系攻撃で攻めるとか思ったりするでしょ、筆で殴ったりとか。でもね、それぞれの攻撃にも多少なりの魔力を消費するんだよね。マーキングにしても、ただインクを塗りつけたからってマーキングできたら苦労しない。魔力を込めたインクを塗りつけることで初めてマーキングが成立する。ま、その仕組みを説明すると長くなるからカットするけど。さらに言えば、筆使いはインク操作の技術を持っていて、インクを自在に操作することが可能。まるで手足のようにインクを動かし攻防を繰り広げる、トリックスターな職なんだよ。操作にだって魔力は不可欠。筆使いは主に、この『インクジェット・ヴェント』と呼ばれるインク操作を主軸に戦う。それゆえに『対応能力がハード』なんだ。常に魔力を搾り取られながら戦うんだから、相当ハードだよ? ランク5になったのはそんな理由さ。
さて、そろそろ波動についても説明しなきゃね。
まず、『波動』を知らないだろう方々に簡単に説明すると、一言で言えば、特殊能力のことなんだ。人にはそれぞれ自分だけの波長を持っていて、その波長を利用した技のことをいう。フィノこと、私の波動は『ステートブレイク』で、ステータス覗き見の力ね。私の場合は常時発動で、常に上部分に表示されてる。波動の発動には私のような常時発動と、意識して発動する使用発動の二種類の起動方法があるの。
ちょっと長くなったけど、筆使いの波動について説明するね。まず戦闘スタイルによって波動の型も変化するんだ。
アタック型『ハンマークウェイク』
スピード型『バレットテスタメント』
サポート型『ベタ塗り絵の具』
バランス型『波打』
バレット型『カット&ペースト』
それぞれに特徴的な波動が現れる。これはその一覧なんだけど、とにかくこの波動のどれかに近い波動が完成する。