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第3話『ワールドステート』

 パーティーの集まる集会所にて、私とルフは平和ボケしながらウィンディーネの噂をしていた。その中、噂をすればと言わんばかりのタイミングでウィンちゃんが登場し、らしくない毒舌と雰囲気をまき散らしながら、最終的にルフの心臓を貫いて消えてしまった! 鮮血に染まる集会所と惨憺たるルフの姿、わめく人々をかき分けて、私、狐火木ノ葉はルフの命を救うためにある対策を取った。

「どけぇぇぇぇぇぇぇっ!!! 幻想色彩フィクションカラー紅葉プロミネンス!」

 ギルドの木座を踏んで跳躍、背中にかけていた長筆を引き抜き、構える。私の声に野次馬たちは慌てふためいてその場から退いていく。私は全身全霊の力を込めた火属性の筆を思い切り、ルフの身体へと叩き落とした! 周囲5メートルを焼き尽くす巨大な火柱が発生し、ギルドの屋根に巨大な穴を空けた。爆煙に野次馬たちは吹き飛ばされ、巻き込まれた人はなし。ギルドに広がった爆煙に野次馬たちは驚愕や困惑の表情を浮かべていた。

「っつー……少しは加減しろよな、狐火」

 しばらくして煙が屋根の大穴から抜けていくと視界が開け始め、そこには傷跡一つないルフの姿があった。

「みんなー、迷惑かけましたぁー!」

 人々が状況把握できていない隙に、私はルフを引っ張って集会所を後にした。修理費とかないし、残りは全部お任せしまぁーすぅ!


 ウィンちゃんの家……は、避けておいて、今はフィノちゃんの武具屋にある広い演習場にルフと居座ることにした。急展開で頭の処理が追いついてないけど、とにかくウィンちゃんが何かおかしいことだけは確かだった。

「最近ずっと見かけなかったウィンディーネが、まるで機会でも測ってたかのように、噂してたタイミングで……おかしいよなー」

 あの時のウィンディーネはたしかにおかしかった。血の気がないと言うか、別人のようで……。

「狐火、俺はあいつが敵に回ってるとは思えないんだよなー」

 違和感、冷酷、どことない狂気、ウィンちゃんから感じ取った異常。

「ーーび? 狐火? おい、聞いてんのか?! 狐火!」

「あ? え、な、何ーー」

「どーしたんだい? 炎でも消えちゃったような顔してー」

 フィノちゃんが事件に胸踊らせている記者のような楽しげな顔でやってきた。

「湿気てなんかねぇよ、喰らえ、魔弾! スピネル・スターマイン!」

 容赦のない銃撃。ルフが放った魔弾は発射直後に分裂、拡散して、呑気なフィノちゃん目掛けて赤い線を引きながら襲いかかる。もう異世界では見慣れたようなものだけど、このような戦闘が平然と日常茶飯事で巻き起こるらしい。どーせフィノちゃん相手だから、遠慮なく襲っても全部無意味なんだろうけどね。

 ルフの弾丸はフィノちゃんに着弾することなく、壁に銃痕を付けただけだった。

「そうそう! 元気がなくちゃね!」

 いつの間にかルフの背後に回っていたフィノちゃんがポンポンと頭を叩いて笑っていた。しかし、直後フィノちゃんの頭部を炎が貫いた!

「ざーんねんだねー、フィノちゃん。設置型トラップ、幻想炎柱」

 血を吹き出しながらフィノちゃんは地面に倒れた。鮮血の池を作っている。

「お、おぃ……狐火……マジでやっちまったんじゃ……」

 やっとフィノちゃんを倒せたー! 私、成長してるぅうー! これでフィノちゃんの体は私のモノ。あんなことやこんなことし放題! えへへへ、さぁ、フィノちゃん! 今夜は寝かせないよ!

「寝かせないって言うか死んでるけどねー。相変わらず元気いいね、狐火ちゃーん♪ でもその技は以前見たから無駄だよー?」

 私の背後で頭をポンポンしているフィノちゃんがそこにはいた。あれぇ? じゃあ、そこにあるフィノちゃんの死体は……。

「フィノちゃん?!」

「どう? 実験台になってくれてありがとー! 試したくて、ついね♪」

 後ろを振り向くと笑顔のフィノちゃん。足元を見ると血に染まるフィノちゃんの死体。二人のフィノちゃんがそこに。そして私は思った。

「フィノちゃん、この死体は持ち帰っていい?」

「気持ち悪いよ、狐火ちゃん♪」

「シンプルに酷い!」

「えっとねー、説明するとー、狐火ちゃんをいじってー、仮想現実を見せてる感じ?」

「いじってくれてありがとぉおおおおおっ!!!!!」

「……俺、お前らみたいな変態には付き合えないわー」


「ウィンディーネがルフを殺そうとしたってー? ふむぅー……」

 正直、私は疑ってた。フィノちゃんはウィンディーネの仲間だから、きっとフィノちゃんも敵対してしまうんじゃないかと。だけど、どうやらウィンちゃんは一人で行動してるみたい。

「……じゃあ、ウィンちゃんに会いに行ってみよっかー」

「「それはまずい!!」」

「ほぇ? 何でさー? 会って話してみてさー、何か変わるかもよー? それにぃー……狐火ちゃんはー、指名手配されてるしー」

「何ですとぉおおおお?!」


 フィノちゃんから受け取った一枚の張り紙、そこには私が指名手配されていた。どうやらギルドの襲撃犯になってしまったらしい。な、何かの勘違いだよ?! 私はあくまでルフの救出目的でその副産物がギルド粉砕だっただけぇー!

「その副産物が厄介なんだよ」

 捕まるのはごめんだねってことで、私とルフ、そしてフィノちゃんはこれからウィンディーネに会いに行くことにした。しかし、足がつかない今、どう会いに行くと言うのだろうか? 街中を捜索しながらなんてことしたら指名手配で一瞬にして監獄入り。

「そこでー、『ワールドステート』解放!」

 フィノちゃんが両手を上げる。突如、頭上に巨大なステータスが展開された。そこには世界地図のようなものが表記されている。

「見ての通り、世界地図。名前さえ分かればどんな人でも探知できちゃうスグレモノ。だから普段は開かないようにしてるけどね」

「……あ、改めて……フィノちゃんの能力がヤバいことを実感した私だった」

 その地図に記載されている現在地のアイコンは、街『ガルモーニャ』を指し示していた。そこから北側、隣街『チシナー』にウィンディーネがいるとのこと。普段ならこの街に発展した特殊な交通手段、ワープホールによる移動で一瞬で隣街へは行けるのだが、今回は私が指名手配にされてしまったのでわざわざ歩いていかなければならない模様。

 フィノちゃんが突然私の頭に手を乗せてきた。身長がないため、ステータスを展開してそれを台の代わりしている。そう言うとこが可愛いのよぉぉぉおおお!

「旅に出る前にー、まずは狐火ちゃんには死んでもらわないと、ね」

 え?

 どうも、k本的にコミュ症ボッチな平成最後の小説家、星野夜イェーイv(・∀・*)


 平成最後の小説をご宣言通り、お届け致しました! 平成最後に旅に出ると言う雰囲気になってきましたね。つまり来年度の抱負はウィンちゃんに出会いに行くために旅に出る、と言う事でしょうか?

 あーあ、きっと平成もそのうち今の昭和や大正のように古いものと扱われて僕もきっと平成の小説家として古いスタンスのまんま、馬鹿にされるのだろうなー。


 そこで、平成最後! 僕の来年度の抱負を! いや、次の年号への抱負を! 目指せ、有名作家!!!

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