第1話『今回のタイトルはずばり『図書館戦争』でしょう!!!などと、そのような事があろうはずがございません』
「レインステート最大放出っ! くらえー」
ステータス、それはRPGにおいては重要視される、物事を数値化して表示したもの。それを現実に具現化し操る、規格外の少女による、攻撃。空中に突如出現した無数のステータスが突き刺さるように一点の箇所に襲いかかる。それはぐっすりお眠りモードの私へと、突き刺さる。
「っ――」
悲鳴(ryかき消されて聞こえない。ステータスのぶち込まれる音によって。
「おはよ、木ノ葉ちゃん」
非常口に良く描かれる知名度がほぼ100パーセントの人物、ピクトグラムさんもといピクトさんのポージングのように、ガチガチの姿勢で九死に一生を得る。わざと私の身体を避けてステータスがベッドに猛威を振るっていた。
「あ、あはは……お、おは、よー、ぅ?」
人生で最も素晴らしく目覚めの悪い朝だった。いや、ある意味では目覚めの良い起き方ではある。相変わらず異世界は手加減というものを知らない。
さて、まず考えるべきことは、なぜ早朝から不法侵入して奇襲をかけたのだろうか、ということである。
「フィノちゃん、話があるんだけど……ひとまずステータス消してくれない? 身動きが」
ステータス消滅。ベッドから飛び起きた勢いに任せて、私は物理攻撃に走る! 当然、フィノちゃんに避けられて終わるのだが。
さて、ここで一人暮らしで浮かれていたら異世界転移したので厨病激発しちゃったりする話第一章を読んでない読者の皆様に説明してあげよう! この規格外少女の正体についてだ。
(作者:お前はそうやって、すぐメタるんだから)
彼女はフィノ。身長120センチ、幼児体型。真紅色で美しい長髪と対色の蒼い瞳が特徴の、見た目こそはごく普通の少女である。こう見えて、彼女は武具屋を経営していて、かなりの繁盛と見える。規格外との表現については、フィノちゃんが他人のステータスを勝手に覗き見ることのできる特殊能力を持つゆえにだ。
「そーだねー、私がここにいるのは、伏線を貼りにきたからさー」
「私にそれ言ったら伏線になってなくない?」
「まぁ、良いからついて来なさい」
「あ、はい」
成すまま、されるがままに。フィノちゃんに無理やりされるなら良いかとか、主人公にあるまじき思考を放棄しておくに越す。これから私たちは黒幕に喧嘩をふっかけに行く訳だが、この回の初投稿時に盛り込んだネタ発言が削除不可避で削除され、こうして改稿が成された事は言うまでもある。空白の歴史はこうして生まれるのだ。
『ここに文字を入力してね』
過去に戻ろう。図書館戦争の事が起きる前の話。噂が呼び寄せた始まり。
「――ここ、図書館には魔術書も取り揃えています。図書館とは記憶の保管庫と言っても過言ではなく、膨大な情報を抱え込んでおります」
私たちは図書館を訪れていた。理由はまぁ色々あるので略。ご親切に図書館長が長々しい説明をしてくれたおかげでいつの間にか歩きながら寝ている自分に気がつかなかった。
「……記憶、ねー。物忘れの激しさが暴風並みの木ノ葉ちゃんの記憶も保管できたら良いのにねぇー」
フィノちゃんにポンポンと頭を軽く叩かれる。驚愕を覚えた。悠々と浮き上がるステータスに座って歩くことすらしていないフィノちゃん。なるほど、だから身長が小さいくせに私の頭に手が届いたのか。
「身長が高くても戦闘能力が上がるわけじゃないんだよー?」
「心を読む前に本を読んで。そしてさりげなく馬鹿にしないでもらえますか?! 確かに物忘れは激しいかもしれないけど、暴風なんて吹いてないから! 記憶の管理はしっかりタンスでまとめておりますから!」
「じゃあ、あれだね。頭の中がお花畑なんだね。タンス付きの」
「タンス付きのお花畑って何?! 頭の中お花畑って馬鹿とイコールでしょうがっ!」
「図書室ではお静かにね」
フィノちゃんとは相対して高身長の図書館長に、冷ややかな矢印を心臓部に突き刺されて凍りそうでした。
今回、図書館に来たのは私、狐火木ノ葉の能力を図書館長が買ったからだった。私が良く使う技に――おっとその前に、この世界についてを語ろうか。
(作者:つまり初期設定を忘れている読者のためにってことね)
ついに作者までがメタいことに。
今年の春。正確に言えば、地球時間による春。私は高校を卒業し、晴れて春から大学生。住み慣れた実家を飛び出し、一人暮らしをスタート! まぁ、それで一人暮らしで浮かれてたら異世界転移してしまったわけです。原因? さぁ? そのうち分かるでしょ。物語っていうのはそういう風に出来てるわけじゃん。
異世界に飛ばされて、とにかくなんだかんだで、職業なるものを手に入れる。筆使い、それが私の職業。基本はインクなどで攻撃、あとは打撃。
まぁ、異世界に住み慣れてきた頃の私だから、技ってものができててね、ムフフフッ。いやぁ、もう私は厨二病とか呼ばれることはないのだろう。なぜなら、魔法の実現ができたからだ!
その技の中で『幻想壁』という技がある。まぁ、簡単に言うと辺り一面のペインティング。防御技として使っている。
今回、図書館長に頼まれたものは図書館の色塗りとのことだった。
『――、け、て――た、たす、け、て――』
「ん、何?」
誰かの小声。か細く消えそうな声。ほとんど何を言ったのか分からなかったけど、とりあえずフィノちゃんではないと確信できる声。しかし、図書館内は休業中で人がいない。
「さて、そろそろ移動しましょうか」
フィノちゃんも館長も、声には気づいていない様子。釈然としない頭を振り切って、館長の後につづく。
そう言えば、最近ウィンディーネを見かけない。物心でもついてしまったのだろうか? さては私に飽きてしまったのだろうか? こんなにもウィンちゃんを愛してやまない私の愛を飽いてしまったということなのだろうか? さては私に黙って彼女を作ってしまったのだろうか? そうなのだろうかっ?!
「そもそも『彼女』って考えがおかしいけどよぉ、あの病み女は仕事中なんだろ?」
もうお馴染みの集会所にて、私はルフとそんな会話を、いや、どう考えても一方的に心を読まれただけだった。そしてその発言はこのご時世において、LGBTがどうのこうので炎上しそうだとか思った。
それはそうと、熱にうかされている際、ウィンディーネに解熱草を口にぶち込まれて以来、ルフは彼女を恐れて『病み女』と隠れて呼称している。
「にしてもだ、狐火」
「なあーに? 告白?」
「氏ねっ!」
「生きるぅーっ!」
「……ダンジョン生還率、最近低くないか?」
ダンジョン生還率、名前の通りに、ダンジョンから生還してくるパーティーの比率である。当然ながら100パーセントが一番である。ちなみにこの街『ガルモーニャ』においてのダンジョン生還率はおよそ99パーセント、普段であれば。しかし、最近の生還率を確認すると、その数値はおよそ60パーセント。つまり5分の2のパーティーが行方不明、もしくは死亡している。
「裏ボスでも出たのでは? ふふふ、ならば……この主人公こと狐火木ノ葉の出番だなぁっ!!!」
「……無理だね」
その声はっ! 何奴?!
振り向くと、そこには噂の彼女の姿がっ! フライアウェーイっ! して即、ウィンちゃんに叩き落とされる。抜け目のない子ね! そこが大好きだわ! となぜかオネェ化しておく。
「……命の無駄使い甚だしいね。死にたいの? 殺してあげようか?」
いつもより無表情の、いや、何か、違和感。というか……冷酷? な、ウィンちゃんの血も涙もないような言葉。薄々と何か違う狂気のようなものを感じ取り、すぐに我に返る。
「ウィンちゃん?」
「出たっ、病みおn――」
「プロッケラ・テンペスタ」
ウィンちゃんの呪文。私の真横を魔法が通過する。それは暴風雨のような何か。認識よりも先に突風で吹き飛ばされて壁に激突してしまった。その視線の先、ルフの胸部を暴風雨の魔法が貫いて綺麗な大穴を開ける。
「――ぇ」
「ルフっ?!」
なぜウィンディーネがルフをっ?! ウィンディーネに警戒の意識を送るその前には、集会所にウィンディーネの姿はなし。元々いた人間たちが爆音に気づいて集まってきた。
悲鳴、一瞬にしてざわつく集会所。鮮血を吐き出す装置となってしまったルフ。焦りと戸惑い。混乱する脳をトルネードの如くスピードで回転させ、解決策を生み出す。ルフの特性を……私は知っている。
それは、以前に死闘を繰り広げた厄災、まるで火球のように燃え盛る隕石のような化け鳥との戦いで、絶体絶命だったルフの隠し玉だった。
ついに第二章へと突入しました、一人暮らしで浮かれてたら異世界転移したので厨病激発しちゃったりする話、略称『ひとぐら!』なんですが……一話目から不穏どころの騒ぎではありません汗。
それ以前に読者様たちに一つ疑問を残して二章へと突入してしまいました。そうです、第一章完結にあたり、完結していないものがあること。メテオ討伐に関しての話です。
第二章は既にメテオ討伐戦の後の話となります。この時点でかなりのネタバレを含んでいるんですけどね。
第一章では語られなかったメテオ討伐裏話! いや、裏じゃなくて表だけど。語られなかった、というより吹っ飛ばした感じだったんだけど。
つべこべ言わず! 第二章突入!!!
一人暮らしで浮かれてたら異世界転移したので厨病激発しちゃったりする話、第二章。話は過去未来現在を交えて不穏の風を巻き起こす。
後略。




