1話 前半
ー女性専用車両ー
「……………」
俺、坂月一樹は今、ピンチてす!!!
「やだー、あれ男でしょー?」「なんでここに?」「へんたい?」「ヤっちゃう?」
あー、やっぱ変態呼ばわりされてるよ…女性専用車両に間違えて乗っちゃった俺が悪いんだけどさぁ…てか、最後のなに??「ヤっちゃう?」ってなに!?なにヤられちゃうの??
いや、そんなことより中学ほとんどボッチだった俺が高校入学早々、問題なんか起こしたら…
「カズくん?」
この声は、、
「矢代!?」
三田矢代。(みた やしろ)俺の幼馴染みだ。
すらりと伸びた白い足、きめ細かな黒髪、ザ•大和撫子と言ってもいいぐらいの和風美人…今の俺には、天から舞い降りた天使にみえる…
「カズくーん!おーい!!」
「おっと、ごめん。みとれてた」
「な、なに言ってんの!?てか!なんで女性専用車両なんかにいんの!?」
照れた矢代も可愛いなぁ
「あー、えーっと。今日朝起きたら7時00分で、やばいっと思って、ご飯食べて、犬の散歩して、着替えて、ちょっと寝たら8時になっててダッシュで駅まで来て急いで乗ったら女性専用だったつて感じかな」
「…それ、寝たからでしょ…カズくん。もぉしょうがないなぁ…」
すると、俺の周りが光り出す。
シュンッ
「おぉ!ここは男性車両。矢代の能力か」
(矢代の能力は半径1km内の物、人を自分の好きなように動かすことができる。だけど、本人の体力がかなり消耗。)
「これで、なんとか一安心…と」
パンッパンッパンッ
車内に響き渡る銃声。
「なんだ!?」「キャー!」「誰かー!」
一番前の車両からか、
「入学式早々これかよ!」
一番前の車両に行くと、5人程度の人が倒れ、10の人がうずくまったり、隠れたりしていた。
運転席近くに銃を持ったゴツイ男が10歳ぐらいの女の子を捕まえて人質にしていた。
「お前全員!金を出せ!!じゃなきゃーこのガキ殺すぞ!!」
ゴツイ男の後ろには、ヒョロイ男と20代後半ぐらいの女性がいた。両方とも銃を所持。
「背中の…確か授業で」
彼らの背中にはヘビと虎のマークがかいてあった。
「特殊能力への反逆者たちか…」
2003年に異能の力を持った子が生まれ初めてから、世界では異能のレベルで人の格差が生まれ始めた。
異能を持ったもの、持たないものでは待遇も違う。最近では、特殊能力反逆者達が増え国も悩んでいた。
「おら!お前も金だせ!」
このような世界になって同情はするが…
「聞いてんのか!」
ゴツイ男が殴ってくるのを避け、相手の腹に蹴りを入れ、人質をとっていたヒョロイ男の顔面を殴り人質を開放させる。
「なんだ!?こいつの早さは!?」
ゴツイ男がうずくまりながら言う。
「流石に見過ごすことは出来ない…です!目の前で女の子が泣いてたら、助けないと男じゃない…!」
ゴツイ男は怯んで周りの男性達に押さえ込まれる。ヒョロイ男も押さえ込まれ、女性は口をパクパクしていた。
「お兄ちゃん。ありがと♪」
女の子は、俺にありがとと言いお母さんのとこへいった。