19日目、のぞきみさん。
今日も寒気がする。
昨日のぞきみさんの家に行って、のぞきみさんの過去を知って、のぞきみさんの素顔を見た。
初めてみたその顔にドキドキしてしまった。
忘れられないあの笑顔を授業中も思い出してしまう。
また見たいな……。
「おーい。おーい。おい。おい。おいおいおいおいおいおい」
お前は目覚まし時計のアラームのスヌーズかよ。
隣で歩いてる友人に肩をポンポンと叩かれる。
包帯でぐるぐる巻きになった左腕が痛々しい。
「なんか今日魂抜けてね?」
前に立って顔を覗き込んでくる。
少しだけ顔を左に寄せる。
絶対今ちょっとニヤけてるからばれないように。
「そんなことない。」
「あー、なんかニヤけてる。絶対なんか昨日あったでしょ!!」
まぶしい笑顔を向けるな。
それよりも、だ。
「その左腕どうしたんだよ。」
友人はビクッと体を強張らせ背中を見せる。
「な、な、何もなかったし、まじで。」
左腕を右手でさする。
ジゼル姐さん怖かったもんな昨日。
「あれのぞきみさんじゃね?」
友人は首を少し左に向けながらこちらに話しかける。
思わずそっちをバッとみてしまう。
「うそぴょん。」
振り返る。
拳が飛ぶ。
身体が飛ぶ。
頭から落ちる。
一発KO。
「今日はいないのかな。」
寒気はするがどこにいるのか分からない。
いつもならあの木のらへんに隠れているはずなのに……。
自然とため息がこぼれる。
「宙!!」
振り返ると……。
今日も寒気がする。
ひとまずのぞきみさん第1部完結になります。
めっちゃ短くなりましたね。最後なのに。
これからも5章、6章と更新はしていきます。
新作も準備中ですのでそちらもお楽しみにー。
それではまた会う日まで!!