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のぞきみさん。  作者: ましゅ麻呂
3章、あなたは、だれ。
11/19

11日目、まさかの。

今日も寒気がする。


周りを見回してみるが誰もいない。

絶対誰かに見られている。



チャラーン



とか油断をしていたら曲が勝手に決まってしまった。

残念なことにその曲はmoimoiで1、2位を争う難易度の曲だった。



キュキュキュ

『私これ得意ー。』



まじか。もう負け確定じゃん。



キュキュキュ

『負けたら罰ゲームね!!』



なんだよそれ、せこいぞ。

いや、でもこの曲結構前スコア詰めてたし、勝てるかもしれないでしょ。

なんてこと言ってるとフラグが……。



結局負けた。

のぞきみさん曲終わった瞬間こっち向いてドヤ顔してきた。

そりゃそうだよな、フルコンボだもんな。

普通にすごいと思う、うん。



キュキュキュ

『罰ゲーム!ジュース買ってきて!』



くっそ、こやつここぞとばかりに……。

男に二言はない……。



「何がいい?」



のぞきみさんはマスクに手をあてて「うーん」とうなった。

結構優柔不断なタイプなのかな?



キュキュキュ

『メロンソーダ!』



「了解。」



のぞきみさんは敬礼した。

そうなのだ、これから自分は自動販売機という戦場に旅立つのだ。

そう思うと自然と敬礼を返していた。

もしかしたら帰ることができないかもしれない。

ゆっくりと戦場の方へ向き歩き出した。

ありがとう、友よ……。



~*~*~*~*~*~*~



「しまった……。」



ここの自動販売機にはメロンソーダが5種類あることを忘れていた。

とりあえずペットボトルと缶があるのだが、缶はないだろう。

それでもペットボトルは4種類。

どれでもいっか。


お金を投入し、ボタンを押す。

下の方から衝突音が聞こえ、仕方なくしゃがんでやる。

冷や汗を掻いたペットボトルを取り出す。

無性にそれがおいしく見えた。



そこでもう一個買おうと思い、お金を投入しようとしたときに、誰かの手が触れた。



「すいません。」



一礼し、一歩下がった。

そして相手の顔をチラッと見ると、めっちゃガン見されてる。

なんというか、因縁付けてるとかじゃなくて、ぼーっとしているような……。





「宙様……。」





え、今なんて、何?

自分の名前呼んだ?

なんで知ってるの?



「あの、あなたはどちら様ですか?」



「今日は……。ゆうと様はいないんですか……。」



なんで友人の名前知ってるんだ……?

もしかしてストーカー……?

朝からの寒気はこの人が原因だな。



「お名前は?」



「私は……。神崎ジゼルでございます……。以後、お見知りおきを……。」



なんでストーカー?の名前覚えなきゃいけないんだよ。

ジゼルって日本人ではないのかな?

なんかのぞきみさんと同じくゴスロリっぽい恰好してるし。



「そろそろおいとまいたします……。また機会があれば……。」



そういって優雅に去って行ってしまった。

機会があればって……。二度とごめんだね。

てかジュースも買わないで行っちゃったし。

ほんとなんだったんだよ……。


自分の分もチャチャっとジュース買っていこう。



~*~*~*~*~*~*~



キュキュキュ

『遅い!』



帰ってすぐのぞきみさんに叱られた。

アイツのせいだろー!!



「いや、なんか面倒な人がいてね。」



のぞきみさんはペンを下唇らへんに当てながら考える素振りをした。

まさか……だよな……。



キュキュキュ

『それって、もしかしてジゼルちゃん?』



やっぱり。

なんか嫌な予感はしてたんだが。

まさか知り合いだとは信じられないな。



「なんで知ってるの?」



のぞきみさんの知り合いってことは、ゴスロリ仲間?

それともストーカー仲間かな……。



キュキュキュ

『コスプレ仲間』



コスプレ仲間か。

って、え!?



今日も寒気がする。

「てか、なんで面倒くさいヤツってだけでジゼルだってわかったの?」


キュキュキュ

『だってなんか面倒なんだもん。』

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