表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/24

☆第十三話 栗拾(ひろ)い

 野山も色づき、すっかり秋景色が板についたある日、僕はじいちゃんと栗ひろいに出かけた。この行事はキノコ採りと同じで恒例だから、とり分けて語ることでもないのだが、まあ語りたいと思う。

「正也、やってくれ!」

「うん!」

 なんのことだ? と思われる方も多いと思うので解説すると、じいちゃんが栗をひろい集め、僕はそのイガ栗を絶妙の足捌あしさばきで栗出しする役目を仰せつかったのだ。手では痛くて持てないイガ栗も、両足のコツで上手くけるのである。

「そうそう、その調子!」

 じいちゃんは満足げに僕の足元を見たあと、また落ちて散らばっている栗を集め始めた。しばらくすると、師匠から、「それくらいで、よかろう…」とストップがかかった。剥かれた栗は容易たやすく袋に入った。そしてその夜、母さんによって三分の二ほどは栗ご飯に調理され、僕達の腹へと収納されたのである。ただ、愛奈まなだけは収納できず、離乳食と母さんの乳以外は駄目だったから気の毒に思えた。こんな美味いものを…と思いながら僕は育児ベッドを見た。愛奈と語り合いながら食べる日も、そう遠くないだろう。あの泣き加減からして、かなりの好敵手に育つことが予想されたが、半ばうれしい心配でもあった。

「なかなかのものです、未知子さん。今年も美味いですよ」

「そうですか、ほほほ…」

 ほほほ…は余計だろう、とは思えたが心にとどめた。

「うん! 確かに…」

 父さんもじいちゃんに追随した。まあ父さんの場合は、追随しないことの方が奇跡なのだが…。栗のようにトゲを出せば、恐らくはじいちゃんによって火中へ放り込まれ、熱さのあまりはじけてしまうぐらいのものだろう。そこへいくと愛奈栗は誰も皮を剥くことすら出来ず、自然放置の状態を維持している。タマとポチは剥かずに持ち帰った栗をボールに見立てて遊ぶ。優雅、この上ない。

                   第十三話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ