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400年越しの願い  作者: 神船一
破壊者、水上葵
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心の弱音

 そろそろこの世界にも飽きてきた。この事件というのは回避不能な事なのではないのだろうか?

と、そろそろ思えてくる。もしかしたら、あの事件の後を暫く警察の施設にいるのもいいのかもしれない。まだ少年法の保護下にいるのだから死刑になることは無いだろうし。諦める?

 いやまだだ、まだ試していないこともまだ残っている。さて、次はどれを・・・



 ここはどこ。周りに誰もいない。暗い深い闇。そうか、これは能力発動時の現象か・・・。ということはまた失敗したのか、何度トライしたのだろうか。もはや自分でも分からない、少なくとも覚えているのは5回までだ、後は何を試していないのだろう。おそらく残されているのは、


 自分自身の”死”で行くか。もし、これが残された正解なのだとしたら、俺がいない世界が継続されるのだろうか?

 ここまで考えた所で覚醒。

                

    闇が光で払拭されていく、こころなしか闇に包まれている時間が短くなった気がする。


 今日は2040年4月5日、中学3年生になる。いつも通りの時刻。あの日から変わらずにこの時刻に目が覚める様になった。変わらずに挨拶を交わす偽りの家族、この家にいる家族は本当の家族ではない。

あの日以来一緒に住むように強制された偽りの家族。こちらがいくら冷たくあしらってもこの家族はそれでも暖かかく接してくれる家族。自分を受け入れてくれる場所があるのは嬉しいが実際の所は、そろそろ迷惑をかけたくないというより、むず痒いところがあるからあまり深くかかわりたくない。

今年を過ぎれば義務教育を終える、そこで自立をしようと思っている。そのために今までもらって来た現金は殆ど残している。貯蔵額は10万単位これだけあれば初めの月ぐらいは乗り切れるだろうなどと考えている。

 そんなことを考えている間に今まで通りの日常の動作により学校に着いた、途中でも話かけてきた連中もあいまいに応対する、それで満足したのかすぐに去っていく。いつからか、能力が発動するようなことでもない限り心が動かなくなった。最近はしばらく能力を使ってい無い事から考えて感情が最後に動いてから1か月半ほどになる。あの時は、クラスの席替えでクラス1の嫌われている奴の隣のくじを引いたときだったと思う。俺個人もあいつの事は嫌いだからかもしれない。

あのときは、能力によるやり直しループから抜けるために、引くくじを少し下にすることによって回避したと思う。

だが、今回の2040年4月5日は緊張する。何故なら久々に『死』を体験するのだから、今まで中で死亡したことはあったがやはり怖い。

何故俺はたった一人の少女のために俺は死のうとしているのだろうか・・・。


 いつも通り気の弱そうな担任の風間が腰が引けたように、教室へ入ってくる、だが今日はいつもと違う事が2つある。それは後ろから人がついてきたこと、そして今日俺は死のうとしていることだ。俺の死は置いておいて後ろから人が入ってきた人物は、それは担任と同じぐらい腰が引けた少女だった。その少女は背丈は小柄であっても、顔立ちも悪くない、童顔で小柄であるが故に保護欲が働きそうな外見だ。担任が引け気味であるからこそ話が長い、グダグダと話したことを要約すれば、

簡単だ。転校生ということそれだけだ。引っ越してきたのは聞いたこともない島だった、おそらく日本の隅っこの小さい島なのだろう。その割には言葉の中に方言のようなものが混じらないことに少し疑問が残るが、練習でもしてきたのだろう、ということで納得した。

多分俺とは無関係に過ごしていくのだろう。幸せなオーラをずっとまとっていることからこんな境遇である俺とは縁がないだろう。せいぜい新しい学校での生活を満喫してくれたまえ。

次の授業は何だったか、と朝の学活中に時間割を確認してみる。1時間目は担任である風間の社会だ、この授業は担当が気弱であることをいいことに睡眠時間に当てさせてもらっている。時間は有効に利用しなくてはいけない。お休み。と隣の席は誰もいないが、誰に言うわけでもなく夢の世界へと落ちていく。


 いつ、死ぬかな。遺書とか書いた方がいいのかな。などと考えながら歩いていくと気付けば、屋上にいた。

いつもは鍵がかかっているはずの屋上。だけど、今日に限って何故か開いていた。まるで、俺を誘い込むように。

ドラマなどでは自殺するときに靴などを脱ぐそうだが、実際する人は少ないそうだ。その辺を踏まえて靴は脱がないでおく。俺は何かに憑りつかれたように屋上の緑のフェンスに近づく。フェンスに手をかけたところで、頭の中に言葉が響いた気がする。

”-----------”

内容はよく聞き取れなかったのだが、体が自分の意に反して動き出す。自殺をしようとここに来たのに、フェンスから遠ざかって行った。そのまま屋上からも降りて、教室へと戻る。なんで、こんなことを?

と、思ったのだが、今では自分の意識でここに戻ってきたような気がしてきたので、屋上へ戻るのはやめておく。

 

 その後、午後の授業を受けて普通に帰路へ着いた。何事もなく家にも着いた。


      再びの記憶の欠落。

 辺りは薄暗い公園。この光景を見て、俺はすべてを悟った。

「またやったのか。」

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