真実の告白
昼休みまでにある2~4時間目の授業は寝ないでしっかりと受けた。転校初日なので水上が持っていない教科書もある、だから見せることになったりもした。1時間目は気配りが足らなかったな。
そしてついにやってきた昼休み。約束通りに水上は階段の上までやってきた。
「まず最初に言っておくがこれから話すことは夢でも中二病でもないぞ、そこの所理解してくれないと話せない。」
「いいよ。大丈夫どんな話を聞いてもおどろかない、私にも言いたいことあるから。」
まさかこの少女にも話があるとは、予想外だった。勿論、単なる世間話の可能性もあるが。
「俺には一つの能力があるんだ、人間生活15年もやってればやり直したい日の1日や2日はあるだろ、それをやり直す能力を俺は持ってるんだ、今のこの世界も俺がやり直したいことがあり作り直した、いや作り直させた。かもしれない世界なんだよ、つまり違う世界ではこの今日という2040年4月5日は既に起きていて、俺はそこから来たんだ。分かるか?」
「わかったよ、十君の能力、じゃあもう一つ質問。なんで十君はやり直したいって思ったの?」
「それは・・・」
言葉が詰まる、本人に向かってお前を殺したからだ、なんていえるか?言えるわけがない。
「きょ、今日忘れ物しちゃったからさ――」
「嘘でしょ?」
急に雰囲気が変わった気がする。
「いやだって」
俺が言い終わる前に
「私、さっき話したいことがあるって言ったでしょ、それは私の特技についてなんだよ、特技って言っても何かの日本一とかってわけじゃないんだよ、」
ゆっくりと子供をあやすかのように語りかけてくる、口調こそ優しいが説得する気はなく、話を聞き出そうとしている感じがする。
「と、特技ってなんだよ」
「それはね、この世の違和感や違いを見つけてそれに適応するってものなの」
そうか、それだからさっきのを見破ったのか、こいつには嘘は通用しない。なら真実を話すしかないのか。
「悪かった、さっきのは嘘だ。ほんとの事を話すよ」
再び今までの幸せオーラをまとった水上に戻った。
「俺はお前を殺したんだ。」