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世界脳 起動
そして、その電極に何らかのコードを差し込まれるような、ガチャっという音がした。プラグを差し込まれた途端に視界になんらかの文字列が表示される。それも相当な高速な速度で、だ。勿論そんなものは読むことができない。だが、1列の文が表示されたところで止まった。
「はい、いいよー。」
担当医(?)の声がかかる。その声を合図にしたように体が動くようになった。み、右手が動く!この喜び。
担当医(?)のほうを見てみると案外若い人だった。声の感じからして、30代過ぎくらいのおっさんだと思っていたのだが、実際は20歳くらいにしか見えない。しかも案外ハンサム、声に似ずに…。
体が動くようになった以外にも変化があった。それは、視界だ。視界に今までに見たことのない丸いものが浮かんでいるのだ。しかも、文字が書いてある状態でだ。
「あの、なんか幻覚のようなものが見えるのですが…。」