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電極
「はい、いいですよ。」
と、担当医(?)が告げると急に体が動くようになった。さっきまで寝かされていた真ん中部分が少し盛り上がったような形をしたベッドから起き上がる。そうすると、頭のほうが今までより重い気がして、後ろへ引っ張られる。
「おっと、と。大丈夫?」
そう言って美里さんに背中を支えられる。
「なんか、頭が重くなったような気がして、体調が悪いんですかね…?」
「それで当たり前よ、だってあなたの首筋触ってみなさい。」
そういわれて首筋に手を当ててみると少し周りとは質感の違う箇所が見つかった。
「アレ?」
何度触って確かめてみても明らかに違う場所がある。
「わかった?今日やった手術はあなたにそれを埋め込むためのものだったのよ。その部分を…。」
と言って、首筋を触られる。一瞬のヒヤッとした感触が背筋を走る。女性特有の肌の冷たさが少し心地よい。
「こうすると。」
と、その肌の感触が違う部分を押し込まれた。
ジャコっという音がした。
「触ってごらんなさい。」
右手で触れてみると、そこには電極があった。