作戦B決行!!
そこからの美里さんの動きはとても速かったインターホンに手を触れ、目をつぶる。俺の目では何をしているのかは分からないが、美里さんによれば電気を媒介として部屋の安全保障システムに干渉するとか、俺には到底無理な芸当だろう。
彼女がインターホンに手を触れてから数分が経過した。すると、スーッと音もなく扉が開いた。美里さんは疲労困憊と言った具合でその場に座り込んでいる。ここからは、俺の出番だ。超有名なAK-47アサルトライフルを構える。
「おとなしく降伏して、その場に跪け!」
一応は宣戦布告をしておく。いくら待っても反応は無い。
部屋に突入する。部屋の間取りは一直線の廊下があり。途中トイレや洗面所があるらしい。
扉があいた時点で気づかれているだろうが、一応は足音を殺して中を進む。洗面所よりも先にトイレがある。人が入ってるかもしれないトイレを開けるというのは気が引けるが、仕方がない。
だが、トイレにはドアノブが無い。まさか、そんなはずはない。ならどうやって出入りをするのだろうか。辺りを見回すと、ドアの真上にセンサーのようなものがあった。
もしかしたら、外側から内側に人が入ったら外に出なければ開かない仕組みなのかもしれない。
「美里さん、ドリーマーの反応は本当にこの部屋からなんですか?」
「ええ、その…はずよ。そっちのリビ…ングの方から…今も…している…わ。」
まだ体調がすぐれないらしく途切れ途切れながら答えてくれた。トイレは諦めて、リビングの方へ足をすすめる。だが、そこにも、俺をこの時代へと連れてきて、殺そうとした反逆者である、ゆみはいなかった。いたのは、カイくんだけだった。その彼も地面に何らかの機械で固定されて身動きの取れない様だった。
「美里さん!いないです!」
「そんな…はずはないわ。だってカイ…の反応が…。」
「カイくんはここで固定されています!」
「まさ…か。」
すると、美里さんが手招きをするので、駆け寄ると。いきなり手を握られ、それを支えに起き上がった。起き上がった直後も俺に全面的に体重を傾ける形になったので、体が密着してしまう。そうすると、あちらこちらが触れることになる。背中に来る柔らかい反応や、首筋にかかる髪の毛。それを意識すると、自然と動悸も激しくなる。この心臓の鼓動がどうか、伝わらないでいてくれていることを願うのみだ。