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400年越しの願い  作者: 神船一
内通者
32/51

真実

 ナイトビジョンズのリーダー事、もげき美里は、ある事柄について調べていた。自分の祖先でもあり、ナイトビジョンズの新人隊員、十 羽石のこと・・・ではなく。その彼をここまで連れてきた、彼女、「ゆみ」だ。彼女に関しては謎がとても多い。基本的に、メンバーの能力の殆どは後天的なもので、ドリーマーを用い能力を与えていたのだが、ゆみは始めから超能力を持っていたのだ。先天的なものなのか、と聞いてみたのだが、彼女は教えてくれなかった。

 能力も非常に厄介なもので、人の内側を操作ができる能力なのだ。記憶を見ることもできれば、書き換えもでき、さらには内側から人間を壊す事も可能なのだ。そんな、稀な能力が先天的にもっているということは、ありえるのだろうか。


 勿論、先天的に強力な能力を持って生まれてくるものもいる。良い例が、十 羽石だ。彼の能力は神にも等しい事が出来る能力。だが、彼のいた時代にはドリーマーもいない。というか、ドリーマーを発案したのが彼自身だ。つまり、彼は後天的に能力を得ることは不可能だったわけになる。だが、生まれた直後から能力をつかえていたかと、聞かれればNOと答えることになる。彼の能力が突然目覚めたのが、彼の肉親が亡くなった時という記録を美里は読んだことがあった。だが、その時に発芽したのは時間を操る能力の身で、空間を操ることは出来なかったらしい。

 空間を支配する能力が目覚めたのは、美里の手助けがあったからと言っても過言ではない。彼女は、3次元以外の異次元を支配する能力を先天的に持っていた。勿論、制約も多くあったりと決して使い勝手のいい能力ではないのだが、彼女はそれなりに自分の能力を気に入っていた。


 もげきの血筋なのかは不明だが、この家系には何かを支配する超能力者が多くいたらしい。彼女の母親は自然を操る事が出来る。植物の成長を早めたり、風を吹かせたり。幼いころは3次元に干渉できる母親の能力をよく羨ましがったものだが、美里は自分の能力に秘められた可能性について考えることができるようになってからは、自信もついた。今となっては、一つの異界を作ることもできるほどになった。


 美里は、視界に投影されている資料を見ながら、手元の端末を操作していた。この時代では、脳を直接インターネットに接続する技術が一般化して、殆どの人間がその技術の恩恵を受けている。美里自身も受けているが、危険な調べものをするときは、脳を直接やられたらおしまいなので、端末を使うようにしていた。

「なんてこと……。」

美里は、自分の犯した大きなミスに気が付いた。ゆみの正体はとんでもないものだったのだ。

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