エントランス
この、高層ビルの最上階で生活をするって?これはなんかの詐欺なんじゃないかと疑ってしまう。あまりに話がうますぎる。本当にいいのだろうか。
「ねぇ、アキちゃん本当にここなんだよね?」
「そう、本当にそうですよ。」
「勿論エレベーターってあるよね?。」
「勿論ですよ。ここが階段だったら死んじゃいますよ。勿論。私は飛んでるのでそこまで疲れませんが。」
「ちなみにここは何階建て?」
「126階建ですよ。」
「高っ!」
足が死んでしまう。エレベーター様様だ。
緊張しながらマンションへと足を踏み入れる。エントランスに入った途端に俺は400年の時の流れを実感した。俺のいた時代のエントランスとは全くの別物だった。まるで、どこかの大手会社のエントランスのような大理石をイメージしていたのだが、全く違った。全体的に薄い青色をしていた。そして、何もない。あるのは、エレベーターの物と思しきスイッチのみ。
「アレを押せばいいの?」
「そうですよ。」
俺のいた時代でさえ、大きなマンションにはエントランスに入る前には自分の目的地を入力する端末があったというのに、この時代の防犯はどうなっているのだろうか。