入隊
何故か自分の能力に抑制をかける腕輪のようなものを巻き付けられてしまった。
「後これもあげるわ。」
と、言って今度は美里さんは机からかカイ君と同じくらいかちょっと大きいくらいの大きさの箱を持ってきた。
「ハイ。」
出されたものを受け取って開封してみる。中にはカイ君位の大きさをした女の子が入っていた。
「美里さん、これって・・・。」
「あなたのドリマーよ。名前はユリ。仲良くしてあげてね。」
「ちょっと待ってください。ドリーマーって男じゃないんですか?」
「違うわ。所有者と反対の性別のを持たせるようにしてるの。」
「そう……ですか。」
少々腑に落ちないが仕方がない。でも、この子も結構可愛い外見をしている。髪型はショートで、紫色のドレスのような服を着ている。
「能力を使いたい時はこの子に許可をもらってちょうだいね。本当は私からの方がいいんだけど、それができない状況になるかもしれないから、身近にいるこの子の方が適役でしょう?」
「ん、まぁそうですね。分かりました。」
「ユリ起きなさい。」
美里さんの呼びかけに応じて箱の中にいた少女が上半身を起こす。
「ドリーマーナンバー13。ユキ、覚醒しました。」
機械質な声でそう告げる。台詞を言い切ったところで今まで生気のなかった目に生気が宿るのが分かった。
「よろしくね、ユリちゃん。」
第一印象というのは大事だろうから、笑顔で話しかける。
「こちらこそよろしくお願いします。」
春の花のような笑顔を向けられる。
「ようこそ!我らが『ナイトビジョンズ』へ。」
美里さんが両手を肩の高さまで上げて抱き着くような形でそう言った。