成果
視界が開けて元の世界へと戻ってくる。ゆみさんの顔が見える。体を起こすと少し離れたところに里見さんが椅子に腰かけていた。
「大丈夫?」
ゆみさんが聴いてくる。
「はい、なんとか。」
「どこまで進んだのかしら?」
里見さんが聞いてくる。
「なんか、剣を持った奴の所までです。」
「ほう、そこまでいったの。上出来じゃない。どこまで創れるのかしら?」
「さっきは、拳銃を創れました。」
「本当!?なら、早速お願い出来るかしら。」
「いいですよ。」
俺は右手へ拳銃を生み出し、里見さんへ手渡す。
「どうぞ。」
里見さんは、椅子から立ち上がり壁に向かって引き金を引いた。パンッと乾いた音が響き、壁に穴が生まれる。
「上出来ね。貴方には私たちの部隊へ参加してもらう事にするわ。」
「その前に確認したいんですけど、俺は自分の元いた時代へ戻ってもいいんですか?」
「そんなの駄目に決まってるじゃない。何を言ってるの?」
さも、当然のことを言うかのように言ってくる。里見さんは自分の服のポケットに手を突っ込み何かリング状のものを取り出す。
「ハイ。これ。」
と言って俺の手にそれを巻きつける。
「なんですか?コレ?」
「貴方の能力は危険すぎるの。あなたの自由に使わせるわけにはいかないわ。だから、私たちの方で管理させてもらうわ。それを付けている限りあなたの独断では能力を使うことは出来ないわよ。」
「それって・・・。」
「我慢して頂戴ね。」