表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
400年越しの願い  作者: 神船一
移動の末にたどりつく場所
20/51

始めの成果(神レベル1→成長中)

 物質同士がぶつかる音がすることを予想したのだが、剣が机にぶつかろうとした刹那。剣が消滅した。

「あら、消えちゃったわね。」

「消えちゃいましたね。」

と、美里さんとゆみさんが感想を述べる。俺としては攻めれられているような気がして心苦しい。それと、自分が創った物が壊れるという今までにない体験をした。自分の分身が消されたような気分だ。

「えっと、なんかすいません。」

人間謝る事が肝心だと思う。

「いいのよ。もっと訓練してもらうだけだから。」

と、さりげなく聞き捨てならない台詞をさらっと吐く美里さん。

「え?」




 身体が重力にひかれ、視界も一緒に下へと下がる。一瞬の暗転の内に、白い世界へと誘われていく。

さっきと同じ訓練を再び繰り返し始める。闇から逃げる。時間制御と空間制御を交互に育てていく。始めは単なる闇から逃げるだけだったのだが、回数を重ねていくごとに闇が形を作るようになっていく。始めは魚のようなものから始まった。人間がこの世に生を受ける前に母親の子宮の中で色々な形へ変化していくのを見ているようだった。

 途中から、成長の際に肉体と精神が分かれるという事がなくなった。常に肉体と精神は共にあるのだ。

これが、成長したということなのか、はたまた逆なのか今の俺に知るすべはない。


 ついに闇の形は人型へと変化した。今までは人間以外だったから遠慮なく攻撃も出来たのだが、人型に対しては気が引けてしまう。

 殺人という禁忌に対して。俺は目をそむけてはいけない現実を一つ持っている。

 

          俺は1人の転校生をこの手で殺した。


 その事に関して疑問がある。俺のいた時代での俺に対する処分はどうなったのだろう。少なくとも警察には見つかっていないだろう。何故なら犯行後すぐにこっちの時代へ来たのだから。


 等と考えていたら闇へ飲み込まれてしまった。1回目は俺の負けだ。だが、次は負けない。


 2度目の戦い。闇と対峙する。俺の勝利条件は能力で作った武器で1度攻撃を当てる。そして、敗北条件は人型の闇に追いつかれる。これだけだ。

 どちらかが動けば戦いのスタートだ。俺は念じる。”剣を!”度重なる練習の末、発動までの時間の短縮に成功した。俺の右手に毎度おなじみの逆十字の剣が生まれる。片手で扱うには少し重すぎるために左手も柄に添える。闇に武器は無い。強いて言えば闇という体全体が武器そのものだ。俺はアレがかするだけで敗北する。なので肉弾戦は無理だ。

 闇がゾンビの様な足取りでこちらへ迫ってくる。動きが安定しないために簡単に倒せる。素早く動き、闇を背後から斬りつけ、俺の勝利が決まる。


 再び世界が変わり新しい敵が生まれる。今度の敵は俺と同じ点が多くあった。一つは人型であること。二つ目は身長。そして三つ目にして今までにない特徴、武器を持っている。しかも、俺と同じで剣だ。だが、剣は俺の剣のような輝きは持っておらず、闇と同じ深い黒一色。

 今までに武器を持った敵はいなかったので、これは俺の成長に合わせて敵のレベルが上がっているという事だろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ