疑問
「なんで、僕はそんな機械というか、なんというか。超能力製造マシーンを作ろうとしたんですか?」
「そんなの、私が知るわけないじゃない。」
「ですよね。」
自分としては、こんな世界を作ってしまくらいなら作るのをやめようと思うのだが、具体的な動機が分からなければ、対策が取れない。
……あれ、でもそうすると歴史的矛盾が発生してしまうのではないだろうか。)
やばい、良くわからなくなってきた。
「本当に、僕は超能力者なんですか?」
「そうよ。歴史に名を残すほどの超能力者よ。」
「だって、僕の能力なんて、発生時期は不明だし、上手く調節も出来ないし。そんな歴史に名を残すなんて無理だと思うんですよ。実際に過去に行ったかどうかなんてわからないじゃないですか。」
推測する所、俺の能力は歴史という一本の棒の中を移動する能力だと思う。つまり、昨日にいる自分が今日にいる自分になり、今日にいる自分が明日の自分になる。ということだ。だから、俺が本当に過去に行ったかなんて検証のしようがないわけだ。
「それは、今のあなたの技術だとそこまでしかできないだけよ。実際その手の本を見るとあなたの能力は相当にすごいものだったらしいわ。」
「最終的にどんな能力になったんですか?」
「聞きたい?」
「そりゃ、もちろんですよ。」
俺はその先にある言葉を聞いて心底驚いた。自分にそんな力が眠っているだなんて。
彼女が告げた僕の能力。
それは……