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400年越しの願い  作者: 神船一
移動の末にたどりつく場所
14/51

新東京歴

 「え、その新東京歴っていうのはなんですか?」

「それは、日本が絶対的な国政的天下を取った年から数えての暦なの。キリスト一人の生誕で暦が生まれるなら、国が絶対的な天下を取ったのなら暦が生まれないわけがないと言って生まれた暦なのよ。ほら、昔の漫画にあったでしょ、そんな感じの暦。」

 あー、あったな。そんな漫画。見たのは、歴史の授業だったと思う。昔の文化に触れてみよう。ということで、上映会をやったと思う。っていうか、ゆみさんなんで知ってるの?



 そんな会話を勧めながら俺たちは目的地へと進んで行く。見かけ上は何も変わっていない様に見える通路でも前進をしているのだろう。というか、していないと困る。

「そこの角を左に行って二つ目の扉!」

久々に声を聴いた気がする。今から会う『リーダー』だ。初対面の前にこうして声を聴いて会話もしているというから、不思議な気がする。

「あーそこの扉ね。って分かりやすい!」

急にゆみさんが叫んだので俺も遅れて扉を見る。そこには「みさとの部屋」と可愛らしい自体で書いてあった。やっぱり小さな子供みたいだな。

 再びゆみさんがカードを取り出して金属の扉の横の溝にカードを入れ縦にスライドする。ピッと音がして扉が開きだした。俺は立っているときに何もすることがないと腕を組む癖があるのでその状態で扉が完全に開くのを待っている。



 やっと着いたこの部屋、長い道のりだった。このことを実感しながら部屋へゆみさんより少し遅れて足を踏み入れる。ここにきて初めて中世の城の様な廊下と違う部屋へやっと来る事が出来た。床や壁自体は同じようなのだが、家具やカーッペトでその大部分が隠れていて見えない。今までとは違う、人の温かみを感じる事が出来た。そして、最後に決定的に違うものがあった。今までこの地下に入ってから人を一回も見る事が出来なかったが、この部屋は違った。部屋の主がいたのだ。おそらくこの人がずっと道案内をしていた『リーダー』だと思う。その証拠にカイ君位の大きさをした小人がいる。

 

 一つ予想が外れたものがあった。それは、想像していた年齢よりずっと上だったのだ。

会話の内容や、声色こわいろ的にせいぜい小学校高学年くらいの女の子をイメージしていたのだが、実際は違った。俺とゆみさんよりも年上位に見る事が出来る。つまり、高校3年位だろう。どちらにしろ、若い事は確かだった。そんな彼女。もげき美里さんは、部屋のいたるところに落ちているクッションの内一つの上に座っている。足と足の間でクッションをはさむようにして、こちらを向いている。顔立ちもよく、目元が少しつり上がっている、鼻も高すぎず低すぎず、髪はゆみさんと同じくらいの深い黒の髪、だが神は肩までの短めのショート。



 俺は、一つの事に発見してしまった。やばい!俺のストライクゾーンど真ん中!!

 つい見とれてボーッとしていた内に、こちらから先にしゃべろうと思っていたのだが、忘れてしまった。そのせいで、向こうに先にしゃべりだされてしまった。

「あなたが、十 羽石君ね?」

さっきの小さな女の子みたいな声では無い(・・)、年相応の大人の声。中3になったばかりの俺とは違う世界に住んでいるようだった。

「そ、そうですけど。」

どうにも彼女とは距離感がつかみづらい。今まで接した事のない年齢層ということですこしパニックを起こす。

「ほんとに、ほんとに十 羽石君なのね?」

「ほんとに、ほんとに十 羽石です。」

 

「質問タイム!」

唐突に始まった質問タイム。果たしてこちらに質問権はあるのか……。無くてもさほど困りはしないが。

「質問その1!あなたの名前は?」

「十 羽石。」

「質問その2!貴方の年齢は?」

「15歳。」

「質問その3!貴方の誕生日は?」

「7月15日。」

「質問その4!あなたの隣の席は誰?」

「水上 葵。って、なんで知ってるの?」

「質問その5!あなたの特殊能力は?」

無視された!

「時間い・・・、ってなんでそれを知ってるの。」

又無視された・・・。

「質問その6!あなたから見て子孫にあたるのはこの私である。○か×!」

「え、そんなのかわないですよ。」

「質問タイム終了。あなたを本物の十 羽石と認定しまーす。」

「どういう事ですか。ラストの質問。」

「正解は○です。」

聞いてもないのに答えを言われてしまった。

「ただ、あなたから直接的に血をひいてるわけじゃないです。貴方の本家の、家の子孫です。」

「つまりそれは?」

「ここが未来ってことは聞いてますよね?言ったでしょ?ゆーちゃん。」

「ハイ。」

久々に声を聴いた気がする。ゆみさん登場だ。

「つまりそういうことです。私はあなたの家系の子孫。」

こんな、俺のドストライクな女性ひとが俺の子孫だというのか。

「この時代には特殊な能力があるわ。」

「そう、あなたの特殊能力、いや超能力のほうがなじみがありますか?」

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