2
アタシを好きと言ってくれた。
初めて、大好きな人がアタシにもできた。
でも、え……?まって?その、女は誰?
「ごめん、本当は別に好きな人がいたんだ。」
え?
え?まって……待ってよ……。
その、好きな人ってだれ?
「ぁぁああああああああああ!!」
血眼になって探し当てた相手……ああ、そう、あんな子が好きなの……。
殺してやる……。
殺してやる……。
殺してヤル……。
コロシテヤル!!
息を乱し、その子の背後にナイフを持って近づいていく。
アンタを殺して、アタシも死んでやる!!
きっと、あの人の好きな人を殺して嫌われた自分は、この世に存在している価値なんてないもの。
だから、コロシテヤル。
その後に、アタシも死ぬから。
だから……。
「ぁぁぁあああああああああああ!!!!」
「っへ……キャァアアァァァアアアアアアアッ!?」
血に染まった世界は、何故だか、一瞬、美しく見えた。
「ウァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?」
何が起きたか分からずに叫ぶ生徒、走って逃げる生徒、足がすくんで、その場から動けなくなる生徒。
生徒、生徒、生徒。
そして、目の前に横たわるのは、鮮血の花、あの女の姿。
憎かった、もう、動かない、あの女の……。
「っは……ハハッ……。」
やった……。
やった……殺してやった!!
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」
そして、アタシも……。
そっと首に、あの女の血がついた刃物をあてがい、綺麗にスパッと引いた。
静かな、眠りにつくの。
あなたに嫌われたアタシなんて、生きてる意味、ないもの……。