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わたしは、長いあいだ、不安と共に生きてきました
「わたしは、長いあいだ、不安と共に生きてきました。
理由のわからない胸のざわめき、
夜になると静かに忍び寄ってくる孤独、
ひとときも自分を許せなかった、若いころのわたし。
それでも、どうしてだろう。
いま振り返ってみると、
あの不安は、わたしを導く“光”だったようにも思えるのです。
この本は、そんな“光”と共に歩いてきた、わたし自身の物語です。
ふり返れば、失敗ばかりだったかもしれない。
誰にも理解されなかった夜も、
泣きたいのに笑って過ごした日々も、
今では、かけがえのない“縁”だったと気づきました。
仏さまは、姿を持たないけれど、
わたしの人生のいたるところに、そっと現れてくれた気がします。
人の姿をして。
動物のかたちをして。
言葉にならない、やさしい風のようにして。
もし、いま、あなたが
「生きるのがつらい」と感じているのなら、
この本が、ほんの少しでも――
その苦しみに寄り添う灯火になれたらと願っています。」