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過日記  作者: 湖ポルル
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20170315海藻のサイエンス

日を浴びるルートワラ


2017年03月15日02:38


全体に公開みんなの日記407 view

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■話題のスーパーフード「アカモク」 効果や食べ方は?

(OVO [オーヴォ] - 03月14日 17:42)

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=201&from=diary&id=4477336


海藻も植物の仲間なので、当然のことながら光合成を行っている。

地上にある植物は主に葉の部分で光合成を行うが、このとき働いているのがクロロフィルという緑色の色素、いわゆる葉緑素という物だ。


地表に降り注ぐ太陽光は、波長の異なる様々な電磁波が混ざりあって構成されている。我々の目に見える可視光や、日焼けの原因にもなる短波長の紫外線、主に熱を伝えることで知られる長波長の紫外線などである。

可視光は虹の七色と言われる通り、これもまた波長によって異なる色味を持った電磁波の集合体である。虹のグラデーションをいくつの色に見分けるかは国によっても違うそうだが、我々のよく知る七色でいえば紫に近いほど波長は短く赤に近づくにつれて波長が長くなる。紫外線や赤外線といった名称は、ヒトの可視領域の限界である紫や赤の光より「外側」の波長を持つことからきている。


さて、我々は日中に戸外を歩いても、特に太陽光に色がついているようには感じない。可視領域の光が混ざり合うと、透明な明るさだけを感じるように我々の目が作られているからだ。また、 窓ガラスやペットボトルを通して見ても、太陽光に色味は感じられない。それらを形作る素材が、全ての波長の可視光をバランスよく透過させているからである。


郵便ポストでも石ころでも、物体に色がついて見えるのは、その波長の光だけを多く跳ね返しているからだ。ポストの例で言えば、赤いペンキは可視光の中でも赤の波長を持つ光だけを多く反射し、その他の波長の光は吸収する性質を持っている。

植物の葉も同様に、緑に見えるということは「緑の光を吸収せず、多く反射している」から緑に見えるのである。


(3.16追記)

先に太陽光は様々な波長の可視光が混ざりあって透明になっていると述べたが、可視光線を含む幅広い波長域の電磁波が太陽から発せられているのは、太陽自身が超高熱で燃えているためだ。


鉄の塊を熱していくと徐々に赤熱し、ついには白熱して眩しく光輝く。高温の物体はこのようにしてエネルギーを放出する性質があり、この現象を放射と呼ぶ。鉄が赤く光り始める温度は摂氏700℃前後で、その光は次第に明るくなり、また色味も黄色から白へと近付いていく。この変化は、物体の温度が比較的低い時に放射されるエネルギーは長波長の赤色光が多く、温度が上昇するにつれて波長の短い黄色や緑、さらには青や紫色の光の放射量の割合が増えていくことを示している。


太陽の表面温度は約6000℃と言われ、この温度にもなると全ての可視領域の波長の光が、非常に強く放射されている。

植物は自分自身が緑色であるため、同じ緑色の光は反射してしまうが、赤や青の光は吸収しているので、それで十分光合成を行うことができるのだ。


(3.17追記)

そもそも、なぜ可視光は目に見えて、赤外線や紫外線は目に見えないのだろうか。


それは「水」という物質の特性によって決まったものと考えられる。

物質にはそれぞれ、特定の波長域の電磁波を透過させたり反射・吸収したりする性質が具わっていて、例えばアルミホイルなどは全ての波長の光をほぼ完全に反射するので、鏡のような銀色に見えている。もちろんアルミホイルを透過する光の量は0である。また色のついた宝石などは、特定の色の光だけを透過させていると言える。


地球上の生命が初めて「目」という感覚器官を獲得したとき、それらの生命体はみな海の中に住んでいた。だから海の底まで豊富に届いてくる電磁波でなければ、光という情報として利用できなかった。その様子を例えるなら、コウモリが暗黒の洞窟内の壁に自分の声を反射させ、反響を頼りに飛行するのと似ている。


水は可視領域の波長の電磁波をよく透過させるため、太陽を光源とするこれらの電磁波は海の中まで届く。

しかし紫外線や赤外線といった波長を持つ電磁波は、水をあまり透過できずに吸収・反射されてしまい、海の中までは届かない。


かくして、水の透過特性にかなった波長0.38~0.78μm前後の電磁波が海中深くまで届いた結果、生物がそれを利用する目という感覚器官を発達させた。


(3.19追記)

海中の動物が視覚という特筆すべき力を獲得した一方、植物は日光のエネルギーを利用し光合成を行うことで繁栄と進化を遂げてきた。


先述の通り地上の植物には緑色のものが多いが、これは光合成の際に働く色素が緑色のクロロフィルだからであり、裏を返せば緑色の植物は「緑色以外」の光を利用して光合成を行っている。


海藻には緑色だけでなく、茶色や黄色味を帯びたもの、赤いものなどがあることは周知の事実だ。これらは紅葉したり調理されたりした結果変色したのではなく、もともとその色で生きている。


海藻の種類による色の違いは、自生する水深によって明確に決まっているという。


まず地表とほぼ同じ程度に光が射し込む浅い水域では、海藻も地上の植物に近い緑色をしている。


やや深い水深では長波長の赤色光がまず減衰されるため、緑色植物のように赤と青の光だけで光合成をしようとすると、赤色光が不足してしまう。そのため、この水深の海藻はクロロフィルとは違う光合成色素を使って光合成を効率化しており、色素の違いから海藻それ自体は褐色や黄色に見えている。


さらに水深が大きくなると、水底まで届く日光は波長の短い青色光だけになる。ダイビングの写真がどれも青く見えるのはこのためである。

こうなると植物としてはどうしても青色の光は吸収して光合成に使わなければならないので、自分自身はその色から最も遠い「赤」となって光という資源の浪費を防いでいる。




~~~

あー、時間が遅くなりすぎた。

また後で気が向いたら続きも書きたいな。

光合成と光の話は考えてて楽しい。

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