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過日記  作者: 湖ポルル


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20140330百年の計

百年の計


2014年03月30日02:11


全体に公開みんなの日記10 view

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中国で「強制連行」提訴広がる

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=133&from=diary&id=2822064


今になってこういう事態になると心情的には呆れてしまうが、敢えて真逆の視点から考えてみたい。


本来であれば、このような訴訟は戦後の間もない頃にこそ起こされてしかるべきだった。

日本は戦に敗れ、米国を核とした占領軍の支配下にあった。敗戦の傷も癒えきらぬ内に朝鮮戦争が起こり、その後も米ソの冷戦が続いていたために、当時の中国が当時の日本を相手にこうした訴訟を起こすことは難しかった。よく言えば中国は終戦の直後から超長期戦を見越してスローな国の運営をしてきたのに対し、日本は地固めもそこそこに最大速度でブッ飛ばしてきたようなところがある。日本のフルスロットルの背後には、アメリカとの同盟関係があったことは疑いがない。経済面で激しく火花を散らしながら、不利にされがちな貿易協定をものともせずに、日本企業は業績を伸ばし、日本を発展させてきた。

外国から見れば、異常としか言い様のない経済発展であったことだろう。或いは、極東における西側の拠点として、欧米から日本へ無茶苦茶な投資が行われているように映ったのではないだろうか。

少なくとも、中国の視点からは、日本はそのように見えていたであろうし、今でもそれは大差のないところかもしれない。


長い長い加速を終えて今日、中国はついにアメリカに次ぐ世界第二の国内総生産を誇る国となった。

ロシアとの友好関係は続いているが、米ソ関係に配慮していた頃とは状況が異なる。

ここに来て初めて、中国は自らの手でチェスの駒を自在に操作する実力を得たのであり、さればこそ戦後永らく押さえつけてきた強制連行に関する訴訟も、認めることができるようになったのだろう。


しかしこのことは、同時にもう一つの事実も示唆していることを忘れる訳にはいかない。

中国政府が、中国国内で活動する日本の「企業」に対して態度を変えたということは、既に彼の国において日本企業の役割が終わりつつあるということだ。物価や人件費が高騰し、またチャイナリスクの大きさも鑑みて、少しずつ外国の企業は中国から出ていこうとしている。そのような中にあって、いわば追い討ちをかける形で訴訟を容認する背景には、「どうせ出ていく企業ならば民心掌握の役に立てよう」という中国当局の思惑も隠見する。

これもまた、国家レベルでのパワーバランスで中国が優勢になってきたからこそできることではあるのだが。

中国のようなスローな国は、様々な要素を同時並行的に進める傾向が強いので、一度回りだしたら手に負えない。右傾化を罵られながらも日本の現政権が突貫工事の対策を推し進めていこうとしているが、泥縄の感は否めない。日本は一点突破型の国であり、本来であればタッグを組む国はアメリカだろうと他の大国だろうと構わない筈なのだが、今日においては主となる同盟国をアメリカから変えることは革命に等しい乾坤一擲の大事業となるので、可能性は極めて低いだろう。となると、回り始めた中国を日本が押さえ込むのは到底無理だ。


中国としては、こうなってしまえば他国と直接の戦火を交える必要などは全くないのであって、むしろ恐るべきは、かつてのように日本やその他の国による侵略を受けることではないか。

現在の日本が単独で戦争を起こすなどは考えられることではないが、各地での紛争における自衛隊の活動が変わりつつある様子を見て、日米の共闘ならば可能性はあると、中国が見なしても不思議ではない。特に人民の視点では一層そのように見えるであろうし、ならば政府としては人民のそうした心情を利用しつつ軍備を整えて日米を牽制し、自国の優位を盤石なものにすることを目指していると考えられる。


話がバラバラになりそうなのでこの辺でまとめにする。

尖閣の問題が顕在化していると言っても、中国が性急に侵略を仕掛けてくることは考えにくい。日中関係の緊張が叫ばれているが、中国にとって開戦などは全く対価に見合わない、冒す必要のないリスクだろう。問題視されている反日教育も、この先は次第に縮小されていくと予想される。

注視すべきはアメリカの動きで、あの国が北朝鮮その他の極東地域の紛争に介入してきた場合は、中国も亡国の危機を避けるために死勇を奮うことになる。

日本はアメリカと組んでいるから意識しないで済んでいるが、米国の地域介入を阻止するのは、どんな国にとっても並大抵のことではない。個人的には中国は、その意図でもって動いているのではないかと見ている。

昨今の中国における日本バッシングは、中国が対外的な牽制と国内の地固めを同時に行う手段のひとつであって、日本は感情的に反応するだけでは適切とは言えない。更に言えば、「対話のドアは開いています」といくら日本がアピールしたところで、当分それが形式上の意味しか持たないことも明らかだ。

偶発的な衝突の可能性がゼロではないので、日本も必要最小限の備えを拡充しつつ、台湾その他の友好国と関係を深めていくことが求められるのだろうね

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