20140331まあこうなるわな
まあこうなるわな
2014年03月31日02:58
全体に公開みんなの日記2 view
編集する
■クリミア少数民族タタール人、「自治」求める決議
(朝日新聞デジタル - 03月31日 00:35)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=2823422
とりあえず欧米の思惑を度外視して、状況を考察してみることにしよう。
ロシア系住民はロシアへの編入を望み、タタール民族は自治を望む。
タタール人はしかし、ウクライナ時代にはクリミア自治の範疇で甘んじており、今回の決議からはロシアへの反感が強く感じられる。
ロシアはクリミアを得たが、その内に帰順を拒むタタール民族がいた。
タタールの自治を認めるとすると、今のロシアと同様、インフラをどうするかが問題になる。
タタール自治区が、水や電力などの供給をロシアまたはウクライナに頼るとなると、どちらを選ぶか。
無論、彼らの心情的にはウクライナに頼ることを選ぶだろう。明言こそしていないが、タタール民族にとって先日までのウクライナによる統治の方が、ロシアによるそれよりも受け入れやすかったことは、彼らの行動から見て明らかだ。
ウクライナから見ると、完全に失われたと思えたクリミアの中に、そうした自治区が残るのは望ましいことと思われる。
ロシアから見れば正反対だろう。
住民投票の結果により、併合の大義名分を得たロシアとしては、タタール民族の離反行為を強引に制圧するか、容認するかの選択を迫られることになる。
或いはまた、彼らをクリミアから追い出すという蛮行に及ぶかもしれない。
問題は他にもある。
仮にタタールの人々に自治権が認められたとして、彼らが独力で存続していくことができるかどうかという点だ。
そもそもウクライナからして経済の低迷が目立っており、ロシアとは軍事的にも経済的にも争える状況ではなかった。クリミアのロシア系住民が、ロシアへの編入を歓迎したのは、ウクライナの経済に不満を募らせていたからでもある。ロシアに編入されれば、クリミアはもっと豊かになると、彼らは信じて疑わなかった。
実際にロシアにその力があるかどうかは分からないが、ともかくクリミアの経済がウクライナに準ずることは間違いなさそうである。
タタール人の自治区が、あくまでロシアの介入を拒むのであれば、ロシア系住民が暮らす地域との間に、かなりの経済格差が生じることも十分に起こり得る。
経済的な不利は、様々なリスクを伴う。
まず、軍備の面ではロシアが相手では話にならない。
軍事的な衝突が一切起こらなかったとしても、生活の窮乏は免れない。
ウクライナが精一杯の支援を惜しまなかったとしても、より富裕なロシアはクリミア全土の物価を操作できる。
無道と言えばそれまでだが、タタール自治区の将来は困難を極めることになる。自治を認められていながら、経済的に結局はロシアに隷属するような日が来れば、今よりもっと悲惨な思いをすることになる。
プーチンに慈悲があるのなら、タタールの自治は認めず、その代わり胸襟を開いて彼らと話し合い、ウクライナ時代と同様、彼らがクリミアでの暮らしに安んじられるようなガイドラインを示してやるべきだ。
それが出来て初めて、クリミア併合の大義名分がどうにか立つと言えるのではないか。
過去の軋轢、宗教問題、民族問題と難題が山積しているが、実現すれば歴史に残る金字塔となることだろう。




