20131208僕と君との被害妄想
僕と君との被害妄想
2013年12月08日04:20
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秘密保護法 著名人多数が反対
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=2680191
ここには一部しか出ていないが、反対の声明を出している人は大勢いる。
彼らだって、この法律が必ずしも平成の治安維持法になるとは限らない、くらいの認識は当然持っている。
ただ、万に一つの可能性であれ、そうなってしまってからでは、声を上げることも出来なくなると知っているからこそ、敢えて名を名乗って反対の意を表明しているのであろう。
言論の封殺が始まれば、政治批判を口にする者は、まず身辺を入念に調査される。
そして、政治批判そのものを理由にするか、それとも別件の理由をでっち上げられるかして、逮捕拘束されたり、あるいは社会的汚名を着せられ失脚させられる。
この法律の怖いところは、今現在に明記されている具体的項目の他に、次々と指定項目の追加をして行けるという一点にある。
テロや国防、外交については、なるほど機密の保全は重要である。
しかし、この法律はそれらの三点を明記しながらも、今現在明記されていない事柄まで、将来的にそれら三点と同様に扱うことを許している。
テロや国防、外交に関する仕事をしている人は、これから先、情報の守秘義務について一層の注意を払うようになるに違いない。
しかし、後から特定秘密に指定される事柄については、どんな事柄が特定秘密に指定されたのか、国民には知らされない。それを知らせてしまっては、既に秘密でなくなってしまう性質の情報もあるからだ。
だから、少し遠回りな方法を厭わなければ、政治批判をする人の携わっている分野を特定秘密に指定し、彼自身にはコンタクトせず、彼と交遊のある人々の所に警官を送って、「あなたのご友人の○○さんについて、少しお話を伺いたいのですが」と言ってやれば、友人知人に「○○は警察に目を付けられるような人物なのだ」と感じさせ、○○氏と距離を置くように仕向けることができる。
社会人というのは面倒事を何よりも嫌うので、この陰湿な手法の効力は、古今を問わず絶大なのである。
○○氏は人々から見捨てられ、よほどの英雄でもない限り、心身を磨り減らして自滅してしまうだろう。逮捕拘束などは実際にはしなくても、思想を統制し不穏分子を排除することはかくも容易い。
繰り返すが、これは万に一つの可能性であって、必ずしもそのような陰湿な統制が行われる訳ではない。
ただ、特定秘密保護法のような、「恣意的な運用が可能」な法律の出現は、その可能性を危惧させるから、多くの人が反対している。別に皆が皆、中国が好きで反対している訳ではない。上記の例のような陰険な手法が身近で行われた時に、特定秘密保護法があると、我々の心理として『あ、さては特定秘密保護法だな』と、警戒すると同時にある意味で受容するかのような気分になってしまう。本来であれば、断固としてその手法の非を鳴らすべきであるのに、反抗心の芽は、その法律が成立した時点で、既に半ば摘み取られてしまっている。
この人心の弱体化が、何よりも忌避すべきところであって、裏で行われるならまだしも、表立った法律としてその可能性を感じさせるものが現れたなら、反対する方にも十分理がある。人心の弱体化は、国そのものの弱体化に繋がっていくことが十分に見込まれるからだ。
この法律については、一人一人が当事者意識を持って、想像してみるしかないのではないかな。
自分は国家の秘密なんかにゃ関係ないや、って人でも、家族や友人、同窓生の出世頭や恩師の中から、「被疑者」の烙印を押される人が出てしまうかもしれない。
そのような可能性を放置する社会は、これから強くなるか弱くなるか、豊かになるか貧しくなるか、若くあり続けるか年老いていくか、当事者である国民が、自分なりに想像してみるべきだった。
成立前であれば、恣意的な運用をできなくするための代案は、いくらでも作れたのだから。
一度成立した時点で、恣意的な運用を可能とする部分を削除することは限りなく難しくなった。
誰が政権を握るにしても、こんなに便利で、しかも国防や外交やテロ対策と一体化した法律を、わざわざ変える必要はどこにもない。下手に変えたら、この法律の存在を前提に情報提供してくれた友好国にも示しがつかないことにもなるし。
まあ法律など成立しなくても、反対派が危惧する陰湿な行為はもともと裏で行うことができるのだろうけど、法案という目に見える形でそれが示されているにも関わらず、それに対しての反発さえも感じないというのは、却って国や社会に申し訳なく思わないのかなと、それはそれで疑問だったりする。




