教育と尋問
話が終わった後俺は長が暮らしている屋敷の客間の一部屋を使わせてもらえる事になった。
そして風霊村での生活が始まった。
朝日が昇ると皆が起床し始めて長以外の女性陣は朝飯の準備で忙しそうに動き回っていて、男性陣は朝から狩猟の為であろう武具を手入れしたり何かしらのからくりの調整などをしていて声を掛けにくい状態であった。
すると長が声をかけてきた。
(おはよう類慧、まだ朝飯には少し時間があるから言葉を学ぼうか)
(おはようございます風華さん、是非そうしましょう)
そうして風霊村での語学勉強が始まった。
風霊村で使われている言語は[精語]と言うらしい、元となる言語がありそれは精霊達が使う言葉だったと伝えられてる。
そして文字は[たしよ]と言う、そして[たしよ]は[ひらがな]と同じで46個の記号で構成されていると教えられた。
そして[精語]と[たしよ]を教わっていると、女性陣から朝飯が出来たという声がかけられたと長に伝えられた。
そして食堂に案内されるとちゃぶ台程度の大きさの長方形の台が綺麗に並べられていて清潔感がある。
そして台の上には装飾の施されたお盆に茶碗に盛られた大盛りのご飯と焼き魚とおひたしそして汁物が置かれていた。
男性陣はそれぞれの台の前に胡座をかいて用意された朝飯を箸で黙々と食べていた。
自分の為に用意された台の前に胡座をかいていざ食べようとすると周りから物凄い視線を感じた。
視線に臆さず朝飯を食べ終わると長が食堂の出入り口に立っておりお盆は片付け無くて良いからこちらに来いと言われた。
(類慧よ体に不調は無いか?)
(もしかして毒でも入れましたか?)
(馬鹿言え、いくら全裸で迷い込んだ人間だとしても将来をこの村の一員になろうとするものに毒など仕込むものか)
(全裸だったのは賊のせいであってあまりそこは突かないでもらえるとありがたいです、話は戻りますがなぜ体調を気にするのですか?)
(それはこの森全体が[霊素]の濃度が高いのでな、自ずとこの土地で育った動植物は霊素が濃くなるのだよ)
(霊素が濃いとどの様な事が起きるんですか?)
(食べ物が美味しく育つが霊素に耐性が無い者が食べると嘔吐や眩暈や舌の痺れなど酷い時は三日三晩発熱で寝込むだろうな)
(ちょっと!先に教えてくださいよ!酷いじゃないですか!)
そうツッコミを入れた瞬間背後の障子が勢い良く開き十字槍を携えたガタイの良いエルフ達に羽交締めにされ長は俺の首筋に日本刀と瓜二つの刃物を当てて怒気を孕んだ視線で質問してきた。
(お主に問う、何者だ?この森の食べ物の霊素に耐えれる人間なんぞほんの一握りであるだろう。お主は何処の国の手先だ?)
(本当に私は放浪の旅に出ているだけです!、なんの武装もしておりません!1人でこの森を徘徊していたら風霊村に辿り着いただけです!)
そう念話をした瞬間に床に物凄い勢いで刃物が振り下ろされた。
(茶番は大概にせい!お主に改めて問う全裸でこの危険な森を徘徊し、この森の食べ物の霊素の濃さにも耐えているお主は何者だと聞いている!よーく考えろ二度は無いぞ?)
俺絶対絶命のピンチ!