囚われの身
暫く牢の中で過ごしては居るが1日朝と晩の2食はきっちり出してくれる。
驚いた事に質素ではあるが白米と味噌汁とよく分からない魚が一尾と和食であった。
因みに流石に裸は良しとしなかったのか少しボロではあるが服も支給してくれた。
囚われている間はエルフが1日に何回か交流に来る。
内容は主にこちらの姿を見ながら何か描いていたりよく分からない記号を一生懸命に教えて来ようとしていた。
おそらく言語であるのだろうが理解が出来ない。
いつまでもこの状況が続くのはあまりにも退屈だった。
そこで自分はテレパシーで喋りかける事にした。
(すいません、牢の中で過ごすのも流石に飽きて来たんですが)
するとこちらを観察していたエルフが腰を抜かした。
(驚かせる気は無かったんです、すいません)
するとエルフはどこかに走って行ってしまった。
暫くすると初日に見た妖艶なエルフが駆け足で牢の前まで来た。
(念話を使ったと伺ったのですが、なぜ先に念話で話しかけて下さらなかったのですか!)
何故か開口一番怒られるとは思わなかった自分は呆気に取られてしまった。
(すいません、下手に先手を打って敵対したく無かったんです)
(こちらも確認不足でした、申し訳ございません)
謝罪を受けた後牢を後にして客間に案内された。