表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/24

07 ˩˦˨˧˥ 小さな覗魔

 「セㇷ゚チㇱレㇺ、ミオリコ、着物は洗い終わったぞ!」


 私がしばらくトイレでお風呂(ふろ)(洗面器だけど)に入っているセㇷ゚チㇱレㇺと話していたら、ロㇰペㇾタㇻはこっちに入ってきた。さっきまで彼女は台所でセㇷ゚チㇱレㇺの着物を洗っていた。トイレのドアは閉まっていないから彼女はすぐこっちに(はい)れた。


 「ありがとう。ロㇰペㇾタㇻ。お疲れ様」

 「ね、セㇷ゚チㇱレㇺは今洗面器の中にいるのか?」

 「うん、あたしはここよ」


 床に立っているロㇰペㇾタㇻは当然、この角度から見上げても今洗面器の中に座っているセㇷ゚チㇱレㇺの姿を見ることはできないので、セㇷ゚チㇱレㇺは洗面器の端に上って顔を見せて手を振った。


 「って、ロㇰペㇾタㇻ、何をしてるの?」


 いきなりロㇰペㇾタㇻは私の足に近づいて興味深そうに触ってしかも何か()ごうとしているようだ。普通こんなことするのはセㇷ゚チㇱレㇺだけだからロㇰペㇾタㇻも同じようなことをするなんて珍しい。


 「セㇷ゚チㇱレㇺがいつもこうやって楽しそうだからボクもやってみたいと思って」

 「そ、そんなこと真似しなくていいの!」


 私はすぐロㇰペㇾタㇻを(つか)んで待ちあげてきた。変態はセㇷ゚チㇱレㇺ一人だけで十分だ。ロㇰペㇾタㇻは無邪気で可愛らしいロㇰペㇾタㇻでいて欲しい。


 それにセㇷ゚チㇱレㇺの所為(せい)で私はいつも余計に足元に気をつけるという癖ができてしまった。だって下手(へた)すればつい踏んで大変なことになると思うのだから。


 更にそれだけでなく、下からならスカートの中……パンツ(まる)()えになりそうだという理由でもある。実際にセㇷ゚チㇱレㇺはこうやってよく私のパンツを(のぞ)き込んできている。


 パンツなんて着替える時も見られてそこまで抵抗感がなかったけど、なぜかスカートの中にあるという状態で見られると嫌な感じになっちゃうよね。


 「ちなみにロㇰペㇾタㇻ、ミオリコのパンツを(のぞ)いた?」

 「うん、ボクさっきちょっと見たぞ!」

 「……っ!」


 直球に訊いたセㇷ゚チㇱレㇺに対してロㇰペㇾタㇻは馬鹿正直に答えた。


 「で、どうだったの?」

 「暗くてよく見えないけどそれはそれで神秘な感じで……」

 「おい! そんな感想はいいからもう……! そもそも着替えた時に見えたはずだし」

 「ミオリコはわかってないわね。着替えの時に見るパンツと、スカートの下で見るパンツは違う味だよ」

 「人のパンツを食べ物みたいに言うな!」


 そんな変態のセㇷ゚チㇱレㇺの考え方、説明しなくてもいい!


 「でもさっきミオリコも美味しく食べたわよね?」

 「え? あ、あれは『パンツ』ではなく、『パン』だ!」

 「似たもんだと思うけどね」

 「どこが……」


 こんな駄洒落(だじゃれ)はもういい……。


 「でもやっぱりいいな。パンツって。気持ちよくパンツを穿()いているミオリコを見て(うらや)ましい。ボクも穿()いてみたい」

 「ロㇰペㇾタㇻ……」


 セㇷ゚チㇱレㇺと違って、やっぱりロㇰペㇾタㇻは嫌らしい理由で人のパンツを見たのではない。ただ(あこが)れているだけみたい。


 なぜならコㇿポックㇽの服装はただ着物一枚だけで、下にはパンツなど下着なんてないから。穿()きたくても彼女の体に合う小さいパンツは簡単には作れないらしい。私の日常で着ている服も。


 もし人間の服をそのまま10分の1スケールに縮めることができたらいいのにね。そうしたらコㇿポックㇽの着物と同じような性質で、私の服もロㇰペㇾタㇻたちに着せることができるだろう。


 「まあ、ミオリコのパンツにはいっぱい夢が詰まっているわよね」

 「言い方!」

 「そうだね。大きな夢!」

 「ロㇰペㇾタㇻも同感しないで!」


 こんな恥ずかしい話……。2人ともまったく……。


 「あたしは時々ミオリコの脱ぎたてのパンツに潜ったりするけど、気持ちよくてその中からミオリコを感じるわね」

 「……」


 今のはキモすぎてもうどうツッコミ入れるかわからないので私は言葉がない。不本意だ。やっぱりこんな話、もう付き合っていられない。


 「とりあえず、今私はセㇷ゚チㇱレㇺの予備の服を取りに行くから、2人ともここで待ってて」


 ロㇰペㇾタㇻを洗面器の蛇口(じゃぐち)の上に置いてから私はトイレから出て2階にある自分の寝室に向かった。彼女の服はあそこに置いてあるから。


 「ありがとうね。ミオリコ」


 と、後ろからセㇷ゚チㇱレㇺの小さな感謝の声。


 その後私は服を持ってまたトイレに戻ってきて、お風呂から上がったセㇷ゚チㇱレㇺに渡して着替えさせた。


 夏休み初日なのに朝からいろいろあって疲れたけど、こうやってこれでひとまず一件落着(いっけんらくちゃく)だな。


次回はようやく魔女っ子の登場です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ