04 ˧˩˦˨˥ 小さな胸
「さて……」
選んだワンピース服に着替えるために私はまず身に付けていたネグリジェを脱ぎ捨てて、もう裸になった。
こっちに向かっている2人のコㇿポックㇽの視線を感じていて少し意識してしまうけど、そこまで気にしないでいるつもりだ。一緒に住んでいていつも見られているからもう慣れているはずだしね。
もちろん、もし彼女たちは男の子だったらさすがにアウトだよね。いくらこんなに小さな小人でも姿は人間と変わらないから当然意識してしまうだろう。だから2人とも私と同じ女の子でよかったと思っている。
とは言っても、実は見られたくない理由も一つある。ロㇰペㇾタㇻならともかく、セㇷ゚チㇱレㇺはね……。
そう思って私は無意識に自分のあまり膨らみがない胸のところに手を当てながらセㇷ゚チㇱレㇺの体の方へ視線を向けた。
……やっぱり、完敗だな。
私はもう14歳で中学3年生だよ。身長もそれなりに伸びたし。それなのに出るところだけはあまり出ていなくて悔しい。
それに対してセㇷ゚チㇱレㇺの体は大人の女性らしくそれなりにエロっぽい感じがする。服越しでしかも小さいスケールながらも私から見て認識できるくらい存在感がある。
もちろん彼女の体全体はちっちゃいから絶対的サイズで考えれば私の方が圧倒的に大きいよ? おほほ勝った? と、そんな当たり前なことで自分を慰めようとしても全然喜べなくて、虚しいだけのような気がする。
「ミオリコったら、そんなわかりやすい悩みをする表情はやっぱり可愛いわね。うふふ」
「うっ……」
セㇷ゚チㇱレㇺはただの変態だけでなく、結構頭がよくて腹黒で私のことなんてすぐ見抜いてしまうから時々イライラしてしまうよね。
てかセㇷ゚チㇱレㇺ、今私の脱ぎ捨ててベッドに置いたばかりのネグリジェの上に乗って気持ちよさそうな顔で何をやらかしているの……? まあ、いつものことで慣れているからこれについて今ツッコミせず無視してどうでもいいか。
「心配しなくても、ちゃんと成長してるわよ。ミオリコのあそこは」
「え? 本当かな?」
まあ、私は一応まだ中学生で、成長の見込みがある年頃だからついこれからだなと期待しているよね。
「うん、あたしは毎日ミオリコを見ているから。初めて会った時と比べて、これくらい大きくなったわよ」
そう言いながらセㇷ゚チㇱレㇺは『ㄷ』の字のような形にした手を私に見せた。もちろん彼女のその手はすごくちっちゃいのだけど……。
それってつまりほんの僅か程度しか成長してないってこと!? むしろ地味に傷ついた。
「ね、ミオリコ、いつ着替えするの?」
セㇷ゚チㇱレㇺのことを構った所為で着替えることすら忘れた私をロㇰペㇾタㇻが急かしてきた。
「あ、ごめん。ロㇰペㇾタㇻ、すぐ服を着るね」
セㇷ゚チㇱレㇺと違って天然なロㇰペㇾタㇻは今の私とセㇷ゚チㇱレㇺの会話に興味がないみたいで、私はついつまらないことで彼女を待たせてしまったね。
ちなみにロㇰペㇾタㇻの体型は私と同じくらいのようなので、彼女の体に私は抵抗感がなく見たら安心感がする。それはよかった。仲間だな。彼女の小さな体を見つめながら私はそう思った。
「ミオリコ、またボクを見て変な顔でニコニコしてる……」
あ、つい考えが顔に出たか。
「べ、別に……。ただロㇰペㇾタㇻと私はやっぱり仲良くなれそうだな、って」
似た者同士として。
「また当たり前のこと言ってるね。ボクたちとっくに仲良しじゃん。ボクはミオリコのことが大好きだし」
「いや、私はそういう意味じゃ……。やっぱり何でもない。こっちの話だ」
なんか話は噛み合っていないな。でもまあ、わからないならこれでいい。子供っぽいロㇰペㇾタㇻにはこの辺の話についてまだ早いのだからね?
「あら、あたしだけ除けものにされるかしら?」
セㇷ゚チㇱレㇺはわざとらしい拗ねた顔でツッコミ入れてきた。
「仲間外れされたくなければ小さくなれよ!」
もちろん、体全体のことではなく、ある部分だけ。体なら今もう小さいしね。
「なんか無茶言ってるわね。あ、でもミオリコの大きくて綺麗な足があたしを踏んでくれたらぺっちゃんこになれるかもよ」
「いやいや、それはただぺっちゃんじゃ済まないだろう」
だから踏まないってば! またあんな怖いことを笑顔で言われるとね。足の話から離れてくれよ。こんな笑えない冗談はやめろ。
「そんなことより、ミオリコ着替えが遅いぞ!」
「あ、ごめん。手が止まっちゃって」
またロㇰペㇾタㇻに急かされた。もう結構お腹が空いただろうね。実は私もそうだ。結局お話ばかりして着替えが遅くなってしまった。
とりあえずこの茶番はここまでにしよう。