仮入部期間開始
初めまして!!作者の「 ルーク 」と申します。
今回私は日々青春してエンジョイする中学生の姿を描きたいと思い 、この作品の執筆を進めています。
楽しいけれどトラブルだって多い中学生時代。
読者様がそんな中学生時代のことを 、この作品に重ねて思い返していただければ幸いです。
「本日から新一年生は仮入部期間となります」
今朝の朝礼で校長先生がそんなことを言っていた。
三年間しっかりと活動を続けられる部活に… と言うことを何度も繰り返し言っていた。
私は小学校の時から入りたかった「吹奏楽部」に入部したいと思っている。
よく小学校の頃からかっこよくトランペットやアルトサックスを吹いている自分の未来を想像しては 、早く中学に入学したいと思っていた。
もちろん今日は吹奏楽部の見学に行きたいところだが 、今日は仮入部は受け付けていないだとか。
仕方なく今日はそのまま帰ろうとしていた時だった。
「あ 、由佳さんもう帰るのー?」
その声に反応して後ろを振り向くと去年クラスが同じだった彼女 、島田理央が立っていた。
確か彼女も同じく吹部志望だった気がする。
そんな小柄な彼女がひょこひょことこちらへ向かってくる。
「もう帰るつもりだよ 、りぃちゃんもこの後帰るでしょ?今日仮入部オフとか最悪なんだけど… せっかく気合い入れて先輩と仲良くなろうと思ってたのに」
「由佳さんやる気すごいな…でもうちはこの後まだ帰らないよ?」
「えっ」
入る気もない部活に仮入部すると言うことだろうか。
いまいち彼女の意図が分からず混乱する。
「ほら〜もしかしたら吹部以上に楽しそうな部活があるかもしれないじゃん?」
そう言われ彼女の意図していることが理解できた。
今は吹部一筋の私も一時期は運動部に入ってみたいな…と思っている時期もあった。
例えば卓球部やバスケ部にバドミントン部。陸上部というより 、一つの競技に対して磨きをかけていきたい。他の人よりも上手くなりたい。と思っていた。
私は元々走ることと泳ぐこと以外スポーツがあまり得意ではない。
特に球技なんてもっての他。とても球を操ることなんてできない。
けれど蓋を開ければ運動部は球技の部がほとんど。
とても三年間続けることなんて出来やしないと思った。
そこで3月上旬頃にあった中学見学で吹奏楽部に惹かれ 、入部したいと思った。
みんなで重ねて成り立つ一つの曲に魅力 … 楽しさを感じたからだと思う。
「ちなみに何部見に行く予定?」
そういうと少し首を捻ってりぃちゃんは言った。
「多分陸上部 、うち球技全然できないからさ〜?」
「わかる 、まじですぐにボールとかどっかいっちゃうよね!?」
「ほんとだよね…由佳さんも陸部見に来る?行こーよ」
正直運動部に入るとしても陸部だけはなかった。部員数が一番多い上に長距離をするかと思えばリレーの練習。そしてさらには高跳びやハードルまで 、幅広いスポーツを中心としている。と部活紹介で部長が言っていた。
「由佳はいいかな… 運動部入るにしても陸部はあんまり入りたくない」
「なんで!?ってまぁ吹部だろうからいいけどさ… 時間だからそろそろうち校庭行かないと… じゃぁね由佳さん!」
りぃちゃんはそう言って昇降口に向かって駆け出していった。
私はその後ろ姿を見送ると 、自分の教室に向けて歩き出していた。
確かにりぃちゃんの言う通り部活は見れるだけ見ておいた方が良いのかもしれない。
そう思いクラス内にまだ残っている友達とどこかしらに仮入部へ行ってみようと 、思った。
何か新しい出会いがあるかもしれない 。